▽中国の課題 自動車「大国」から「強国」へ
中国自動車産業の市場規模はすでに1300万台を超え、ここ5年間の平均成長率は20%に達している。自動車産業が経済や社会の成長にもたらす影響は日増しに強まっている。しかし世界的に見ると、中国は自動車大国であって、自動車強国ではない。中国の自動車産業は明るい見通しの影に、自動車強国への歩みを妨げるさまざまな障害を抱えている。
中国の自動車産業は生産台数から見ると産業大国だが、産業強国とはまだ大きな隔たりがある。(1)中国の自動車産業は主に国内販売であり、輸出の割合が少なく国際化のレベルが低い(2)中国の自動車工業には欧米、日本、韓国、中国という5カ国の生産システムが共存している。具体的には合弁製品が4分の3を占めているのに対し、中国独自ブランドの製品はわずか4分の1。ブランドの確立をはじめとするこうした一連の問題を、中国の自動車工業は今後克服する必要がある。
新エネルギー車の産業化もさまざまな課題に直面している。動力用バッテリーやエンジンなど核心部品の性能、品質、価格が完成車に求められる水準には達していない。動力用バッテリー、エンジン、電気制御など核心技術の研究開発に今後も力を注ぎ、新エネルギー車の製品基準や評価体制をより充実化していく必要がある。このほか、インフラ建設の遅れなども新エネルギー車の産業化を妨げる要因となっている。
用語解説
生産能力過剰の基準:生産能力の過剰を評価する定性的・定量的な科学的基準は、中国にはまだない。欧米各国では生産能力の利用率や設備利用率を評価基準とすることが一般的。設備利用率の正常値は79%--83%。90%を超えると生産能力不足、設備能力超過とみなされ、設備利用率が79%を下回ると、能力過剰の可能性があると判断される。
「人民網日本語版」2010年9月13日