中国社会科学院工業経済研究所と社会文献出版社は北京で15日午前、2010年度の「産業青書」を共同で発表した。青書では、中国の鉄鋼、エネルギー、自動車など11産業の競争力などに対する分析が行われ、うち5つの産業が各方面で高い競争力を示した。「法制日報」が伝えた。
中国は世界一の石炭生産国で、石炭の生産量は世界の40%以上を占め、他の石炭生産国を大きく上回る。中国の粗鉄の生産量も世界一だ。そして、中国は世界最大の非鉄金属の生産国と消費国でもある。
昨年、中国の自動車産業は急速な回復をみせ、ドイツと米国を抜いて世界最大の自動車市場となった。今年も世界の自動車市場を牽引していくものと思われる。電子情報産業においても、世界の電子製品の20%近くが中国製で、数量的な競争力ではすでにドイツ、米国、日本を上回る。
▽世界一が多い理由を専門家が解説
これだけの世界一は何を意味しているのか?中国はすでに工業強国になったのだろうか?
中国社会科学院工業経済研究所の白メイ副研究員によると、中国は世界的なエネルギー生産大国で、国際競争において輸送距離が短く、輸送コストが低いという地理的な優位性を有していると同時に、労働コストが低いという生産コスト的な強みがある。
北京工商大学産業経済研究センターの周清傑執行主任は、「中国は徐々に現代化に向かっているが、まだ本当の工業の現代化に至ってはいない。例えば、農業人口がまだ50%以上いる。一部の先進国では農業人口は10%に満たない」と指摘する。
中国社会科学院工業経済研究所の張其仔研究員は、「中国はすでに中所得国の仲間入りをした。今後は中所得国から中高所得国へと邁進し、最終的には高所得国とならなければならない」と語った。
中国が高所得国になるためには、競争力を革新し、技術集約型産業や付加価値の高い産業を伸ばしていかなければならない。
「人民網日本語版」2010年9月17日