早くも中国では2001年に電気自動車に関する重大プロジェクト「863計画」をスタートさせ、純電気自動車、ハイブリット車、燃料電池自動車といった3種類の電気自動車を「3縦」、制御システム、駆動モーター、動力バッテリーといった動力をまとめて「3横」とする「3縦3横」の開発戦略を立てた。ここ数年の技術革新と検証により、国内の自動車メーカーは国外の大手メーカーに太刀打ちできる成果を手に入れた。
とはいえ、新エネルギー車の関連技術ではまだ国外の自動車強国に及ばない。上海汽車工業集団の肖国普副総裁は「国内の新エネルギー車は基礎部品の面で国外より弱く、自動車の性能に差がある。特に中長期的な使用となると、国内の自主メーカーは国外のメーカーに及ばない」と率直に述べた。
また、新エネルギー車の販売を促進するには、コストが高い、走行距離が短い、充電に時間がかかる、充電設備が整備されていない、修理やメンテナンスが不便などまだ多くの障害がある。これらの障害により国内の新エネルギー車の売上は伸び悩んでいる。日本などの先進国では同じ問題に直面しているにもかかわらず、普及が進んできている。ホンダの環境安全企画室の篠原道雄室長は「今年に入って日本国内で販売された新車のうち、16%が充電式ハイブリット車だった。純電気自動車を加えると、電気を動力とする新エネルギー車が25%を占めた」と紹介する。
篠原氏はさらに、これは日本政府が補助金と税収優遇を行った結果だとし、「新エネルギー車産業を伸ばすには、初期段階で政府が支援政策を打ち出す必要がある」と、中国政府による新エネルギー車に対する補助金拠出に賛同する考えを示した。関係部門・委員会は今年6月、一般消費者の新エネルギー車購入に対して補助金を拠出する方針を発表し、上海、長春、深セン、杭州、合肥の5都市で試験的な実施を始めた。補助の対象は、試験都市の一般消費者が購入し登録済みの充電式ハイブリット車で、1台につき最高5万元、純電気自動車であれば1台6万元の補助金が出る。この政策は新エネルギー車の商業化の歩みを後押しすると期待されている。
このほか、深セン、上海、杭州、合肥、南京、成都、天津などの都市では電気自動車の充電スタンドが次々と完成している。成都ではこの3年で充電設備を大型駐車場やショッピングセンター、コミュニティに設置するなど、電気自動車の充電設備を整備していく方針だ。経済性、利便性さえ解決されれば、新エネルギー車によって現在の自動車産業は一変するだろう。この過程で国内の自動車メーカーは技術革新に力を入れ、基礎部品や基礎技術といった鍵となる分野において競争力をつけなければならない。
「人民網日本語版」2010年9月19日