非鉄金属工業協会の文献軍副会長はこのほど、協会が起草した非鉄金属工業の第12次5カ年計画(「十二・五」)の研究初稿はすでに完成し、専門家の審議の最中であると明かした。非鉄金属工業の「十二・五」期間の重要任務は「構造調整」。そのうち、生産量の多い品種においては産業構造と生産能力分布の構造調整に重きを置き、生産量の少ない品種においては、とりわけ中国が埋蔵量の面で優位性を持つ品種においては、資源の秩序ある開発と節約使用によりいっそう力点を置く。
文副会長によると、銅やアルミニウムなど生産量の多い品種の発展は産業構造と生産能力分布の構造調整が鍵となる。例えば、アルミニウム工業においては、電解アルミニウムの生産能力を電気料金の高い地域からエネルギーが豊富でエネルギー価格が低く、環境容量が大きい地域に移転させる。また、「十二・五」期間、アルミニウム工業の産業構造を調整し、国内での利用を拡大させ、新たな利用分野の開発に努める。そのうち交通運輸分野を重点普及目標にするという。
文副会長は、「アルミニウムの消費については楽観視している。民間消費に大きな空間があるだけでなく、次の重点普及分野は貨物輸送業であるからだ。列車の車両は従来のカーボンスチール製からアルミ製へと完全に移行させることが可能であり、海外でも成功している。これは省エネ排出削減にも非常に有用だ」と述べ、中国の装備製造業の立ち遅れがアルミ加工の発展を制約していると指摘した。このため、「十二・五」期間は2つの統合に力を入れるという。1つは川上の装備製造業の統合。できるだけ早くアルミ加工の基幹設備の国産化を実現する。もう1つは川下のアルミ利用産業の統合。新分野の開発に努める。
以前報道された「2015年までに非鉄金属10種(銅、アルミニウム、鉛、亜鉛、ニッケル、錫、アンチモン、マグネシウム、チタンスポンジ、水銀)の生産量を4100万トン以内に抑える」という情報については、現時点では具体的な規制総量は確定していないと述べた。
今年、市場では生産量の少ない金属に大きな注目が集まっている。文副会長はこれについて、タングステン、モリブデン、錫、アンチモン、レアアースの希少金属5種に関する特別な計画研究初稿を完成させたことを明かした。「十二・五」期間、タングステン、アンチモン、レアアースをはじめとする中国が優位性を持つ資源品種においては、資源の秩序ある開発と合理的利用、節約使用によりいっそう力を入れ、企業の合併統合を引き続き推進していくという。とくに注目されているレアアースを例に挙げると、レアアースの生産総量と輸出総量を含む総量規制を一段と進め、採掘と輸出の部分を規制するだけでなく、中間部分の製錬加工や流通・貿易なども徐々に規制していく方針。
文副会長は、「中国のレアアースの値決めは資源コストと環境保護コストへの配慮が不十分であり、今後はこの2つを値決め体系の中に合理的に入れていく必要がある」と述べ、値決め体系が合理的とは言えないだけでなく、工業添加剤であるレアアースの絶対用量は少なく、川下に受け入れ能力があることを指摘した。以上の理由から、レアアース価格はさらに上がる可能性があるという。ニオブやタンタラムなど中国に不足している金属資源については、海外での開発や海外との協力をよりいっそう強化する計画である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年10月18日