(4)産業の試練。ここ30年間の発展で、中国は産業構造と地域分布において明らかな外需依頼型の特徴を形成してきた。このため、外需構造が変化し、内需の役割が日に日に強まる今、従来の産業構造は思考から構造にいたるまで大調整、大手術が必要となる。いかに国内外のニーズのバランスを取り、同時に内需を満たす方向性を保ちつつ、3大産業の比例と構造を調整するかは、とても現実的な問題だ。
(5)雇用の試練。これは「第12次五カ年計画」期間中の非常に大きな問題であり、2方面で注意が必要だ。1つ目は、人口のピークの到来で、就職プレッシャーが強まり続けること。2つ目はルイス・ターニング・ポイントの到来により、就職の構造性矛盾が加速すること。このほか今後5年間、社会保障システムが完備されていないことから、▽雇用ポストの供給不足で、若者の就職難が高まる▽退職年齢が延長する可能性があり、構造性問題が強まる--などの状況が出現する可能性が高い。
(6)配分の試練。近年、地区間、都市・農村間、社会階層間の貧富の差は拡大し、配分問題が大きくなっている。これは改革開放以来実施されてきた不均衡な発展計画と関係がある。今後5年間、配分問題における試練は2つある。1つ目は、政策のてこを通じていかに所得配分を調整するか。2つ目は、基本的公共サービスの均等化を通じて、いかに都市と農村、地区間、社会階層間で実際に享受する社会的財産の差を縮めるかだ。