▽自動車社会がもたらす一連の問題点
中国のここ数年の新車販売の急成長ぶりが、自動車保有台数の著しい増加をもたらしている。こうした傾向がさらに発展すれば、約10年ほどで保有台数が米国を抜き、中国は世界トップの自動車保有国になるものと予想される。現在、米国の保有台数は約2億5千万台で、中国とは1億6千万台の開きがある。中国では現在、毎年2千万台のペースで保有台数が増加しており、このペースでいくと8年後に米国を抜くことになる。
工業情報化部装備工業司の王富昌副司長はこのほど開催された中国自動車産業発展国際フォーラムで発言した際、2020年には保有台数が2億台を超えるとの予測を示した。
国家情報センター情報資源開発部の徐長明主任は中国新エネルギー自動車発展サミットフォーラムでのスピーチの中で、中国は自動車大国であり、販売台数の伸びには驚くべきものがあると指摘し、さらに、ここ数年、中国の自動車保有台数が年々増加しており、控えめに見積もっても、将来は4億9千万台前後に達することが予想されると述べた。
徐主任が示したエネルギー消費に関する一連のデータによると、2009年の自動車販売台数は1300万台で、世界の総販売台数の22%を占め、エネルギー消費量も世界全体の22%を占めたという。
中国が自動車社会に突入して以降、石油の消費量が極度に増加した。膨大な自動車保有台数により、エネルギー供給が一層逼迫し、新エネルギー自動車の発展が今後の発展における主な方向性となった。科学技術部が発表した報告書「中国の2010年の発展におけるクリーンエネルギーの科学技術」によると、09年末には全国で試験的に導入された各種の新エネルギー自動車は約5千台に上った。今後は11年をめどに完成車15万台と重要部品との生産能力が育成され、15年には新エネルギー車保有台数が100万台を超え、20年には新エネルギー車の市場規模が1千万台に達する見込みだという。
「人民網日本語版」2010年10月25日