英紙:今後の金相場、動向を握る中国

英紙:今後の金相場、動向を握る中国。

タグ: 金相場 中国

発信時間: 2010-11-02 15:56:22 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

このところ、金相場が記録更新を繰り返している。英紙によれば、金相場を上昇させている経済要素は通貨政策とインフレリスクに集中しており、同時に中国が金相場に影響を与える最も重要な新要素となっているという。

最近の金相場の急上昇は新たなブルマーケットの第一段階に過ぎない。今後数年続くと見られるこのブルマーケットは、2015年には金相場を2000ドル/オンス以上に引き上げるだろう。金相場の上昇を促進しているのは、経済的要素だけでなく、各機関における金購買方式の革新も影響している。しかし、金相場を上昇させる最も重要な要因はまだ出現していない。

金相場を上昇させている経済的要素は通貨政策とインフレリスクに集中している。円高を抑えるため、日本政府は9月、外国為替市場に240億ドルを投入し、介入を行った。FRBの方でも新規の量的緩和政策をちらつかせている。これにより、投資者は米ドルを売り払い、しかも、その他の通貨に通貨安競争を巻き起こす引き金となる可能性がある。

5年前に打ち出されたExchange Traded Fund(ETF)も金相場の上昇を後押しした。これらの基金により投資者の金購買は便利になった。現在、これらの基金が所有する金は2000トンを超え世界第6位の貯蓄者となっている。

金市場に影響するであろう最も重要な新要素、それは中国である。中国の外貨貯蓄は2.4万億ドルを超えるが、その中で金投資に使われているのは1.7%に過ぎない。今後5年間でその外貨貯蓄は5~6万億ドルにも上ると見られ、今の比率を維持したとしても1000-1500トンの金購入を必要とする計算になる。しかも、中国は金の外貨貯蓄に占める割合を拡大することでドル下落による衝撃を抑え、国際通貨としての人民元の地位固めをしようとする可能性がある。

一部の中国官吏は、公に中国中央銀行に対し金の大量購入を呼びかけている。今のところ、中国中央銀行はコメントを控えているが、米国がドル切り下げ戦略を実行し、人民元のグローバル化が進めば、その方向に進む可能性はますます大きくなる。

このほか、中国のインフレ率が上昇すれば、国内における個人の金需要がにわかに増加するだろう。中国政府が金市場への規制を解いて以来、金の個人需要は急速に増加している。過去12ヶ月で中国の個人が購買した金は合わせて143トンで、2009年の73トン、2008年の17トンに比べてその差は歴然である。更に、投資家が中国のインフレ率上昇を察知すれば、この数字は瞬く間に数百トンにまで上昇するだろう。

中国がいつ金の購買を行うかは誰にも予測できないが、それが金の需要を拡大することは確実である。今後25年間は、中国の需要がその他全ての要素を圧倒的に上回って金相場の大幅な上昇を確保するだろう。(著者デヴィッド・ヘアー(David Hare)グローバル経済コンサルタント会社理事長)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年11月2日

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