物価が高水準を維持しているのはなぜだろうか。
▽食品価格と住宅価格の上昇が主要因
10月の消費者物価指数(CPI)は高止まりすると予測されていたが、結果は25カ月ぶりの記録更新という予想を上回るものだった。CPIの前年同月比上昇幅は4.4%で前月を0.8ポイント上回り、前月比上昇幅は0.7%で前月を0.1ポイント上回った。
CPI上昇幅はなぜこれほど大きくなったのだろうか。国家統計局の盛来運報道官の分析によると、10月の物価構造では、残存効果の影響は1.4%で前月を0.1ポイント上回った。新たな価格上昇要因の影響は3.0ポイントでCPIへの貢献度は68%に達し、これが引き続き物価上昇の主要因となった。新たな価格上昇要因の中心は食品価格と住宅価格だ。食品価格は前年同期比10.1%上昇して貢献度は74%に、住宅価格は同4.9%上昇して貢献度は16.6%に達した。
▽10月はもともと収穫の季節で、野菜や果物が大量に市場に出回って価格が低下するものだが、食品価格が逆にはねあがったのはなぜだろうか。
盛報道官によると、話題になっているコストの推進と流動性の充足とのほかにも、2つの大きな要因があるという。一つ目の要因は、海外原産の農産品の価格上昇と大口商品の価格上昇が国内に影響を与えたこと、特に一部の国での日照りや穀物減産による農産品価格の上昇が中国国内の価格に影響を与えたことだ。原材料価格の大幅な上昇、特に原油価格の上昇も、農産品を含む生産コストに直接影響してコストを上昇させた。特に今年第3四半期(7-9月)以降は、海外の流動性が一層価格を押し上げた。もう一つの要因は、自然災害の頻発だ。たとえば10月には海南省で豪雨浸水被害が発生した。同省は野菜の重要な供給地であり、この地域が今年10月の食品価格上昇に与えた影響は大きかった。
▽現在の物価上昇は流動性過剰が原因
国家発展改革委員会価格司の周望軍副司長が最近行った分析によると、このたびの物価上昇は物資の不足が引き起こしたものではなく、野菜価格と労働力コストの上昇などが原因であり、また過剰な流動性が引き起こしたものだという。
周副司長によると「通貨発行量の過剰が世界各国に共通の問題となっており、米国が最近、量的緩和政策をうち出すと、国際市場ではほとんどの商品価格が急激に上昇した。特に石油、綿花、砂糖の上昇が大きかった。流動性が氾濫する状況の下で、ホットマネー(投機資金)という要因が見過ごせなくなっている。今年上半期には、緑豆、ニンニク、綿花などの価格が上昇し、綿花は投機の対象となって、価格が1トンあたり3.3万元まで上昇した。鄭州商品取引所(河南省)では8日、綿花の先物取引額が300億元を超え、正常な範囲を大きく上回り、売買回転率が非常に高かった」という。
「人民網日本語版」2010年11月12日