関心が集まる人民元建て債券市場の対外開放について、銀行間市場交易商協会の時文朝秘書長は16日の「中国国際債務資本市場セミナー」に出席し、「次の段階では、国内の人民元市場の対外開放を加速していき、外国機関による国内の人民元建て債権(パンダ債)の発行範囲を拡大し、外国の一般的な金融機関や事業会社を発行体としていく」ことを明らかにした。「人民日報海外版」が伝えた。
時氏は関係部門との突っ込んだ話し合いを経て、今の状況から判断して国内の人民元市場の対外開放は徐々に加速していくとの見方を示した。またパンダ債について、主に世界銀行グループの国際金融公社(IFC)とアジア開発銀行(ADB)が銀行間市場で起債している人民元建て債権で、今のところ発行部数は多くないと紹介。今後、発行体を信用格付けの高い国際金融機関から国際的な企業に拡大し、さらには信用格付けが高くない外国の事業会社も除外しない方針を明らかにした。
パンダ債は国際金融機関が中国で発行する人民元建て債権のことで、外国の金融機関がある国で債権を発行する際、国際的な慣例としてその国の最も特徴的な愛称をつけることになっている。パンダ債はまた、2005年10月からIFCとADBが中国の銀行間債券市場で発行している人民元建て債権で、中国の債券市場に外国機関の発行体が参入したのは初めて。中国の債券市場が対外開放する重要措置と見られている。
時氏は国内の人民元建て債券市場の対外開放を進めるには、次のいくつかの準備が必要とし、▽資本収支の開放と集まった資金の国内外流動関係▽会計準則の統一▽格付けの確立---をうまく処理しなければならないと強調する。これらの問題を徐々に解決していくことが、人民元建て債券市場の対外開放を加速する上でプラスとなる。
「人民網日本語版」2010年11月17日