▽中国の対外開放構造を改善
中国が将来的に中東と直接鉄道で結ばれるというニュースは欧米メディアからも注目を集めた。米「ロサンゼルス・タイムズ」紙は11月16日、「温家宝総理は今年10月、8年ぶりにトルコを訪れ、トルコ・エルドアン首相と8つの合意に署名した。この中には、かつてのシルクロードを『鉄道』に変え、中央アジアとトルコを結びつけるという計画も含まれている」と報じた。
米ジョンズ・ホプキンス大学中央アジア・コーカサス研究所の執行主席は、「中国はこの鉄道により、ヨーロッパとの貿易における運輸コストを下げることができる。また、この鉄道には政治的な意義もある。もし、米国、ヨーロッパ、ロシアが中国の海上交通を封鎖しようとしても、中国にはまだこの陸路がある。さらに、中国は隣国のインフラ建設に投資することで、隣国との関係を緊密化することにもつながる。このほか、この鉄道の建設は、ロシア、米国、ヨーロッパの中央アジア・中東地域における影響力を下げることにもなるだろう」との見方を示す。
また、この「シルクロード鉄道」は中国の対外開放構造を改善することになるだろうと指摘する声もある。中国が全方位的な対外開放構造を形成すれば、経済的には新市場と資源の宝庫を開拓できるだけでなく、文化的にも中華文明とイスラム文明の交流が促進されることとなる。
現在中国は新疆の発展を加速している。新疆南西部の辺境にあるカシュガル市はキルギスに接近しており、鉄道はここから出発する可能性がある。そうなれば、新疆南部は中国対外開放の最前線となり、これは現地の発展と安定にも役立つ。中国が中東から輸入した原油も鉄道運輸に向けた条件がそろい、海上運輸に対する過度な依頼を緩和することができる。
「人民網日本語版」2010年11月23日