ある専門家によると、海外で不動産を購入する中国人にはいろいろなタイプがあり、民間企業の経営者、子どもが海外に留学している人、プロの投資家などさまざまだ。だが購入者の8割は実際に物件を見ることなく不動産を購入している。一部の人は海外での不動産購入を単なる投資と見なしており、そのため現地で実際にみてから購入するケースが少ないのだという。「北京晨報」が伝えた。
▽中国人に最も人気の6カ国
中国人の不動産購入者が最も好む国は、上から順に、カナダ、オーストラリア、米国、シンガポール、英国、ドイツとなっている。だが購入者の多くはこうした国の不動産関連の税政策に詳しくはない。
シンガポールは中国を除いて、簡体字を日常の通用言語文字として使用する世界で唯一の国だ。融資政策・プロセスでは外国人はシンガポール人と同じ待遇を受けられる。カナダの税率はグローバルタックスであり、不動産購入者はカナダ国籍を取得していても、中国でビジネスを展開する場合はカナダ政府にも申告しなけれならない。オーストラリアでは、購入した不動産の付加価値部分の税金はすべて不動産を通じて減価償却することができる。たとえば中国からオーストラリアまで不動産を見に行くために必要な航空券、不動産ローンの金利、賃貸しで支払う各種の税金はすべて相殺される。欧州では、ロンドンで投資すればリターン率は4%だが、ドイツで投資すれば7%を上回ることが可能だ。
▽日本人より価格に慎重
専門家によると、日本はかつて企業が中心となって海外の不動産を購入したが、中国では個人の購入が中心で、購入規模は大きくないが、リスク管理能力は企業を上回る。また当時の日本人が価格を考慮しなかったのとは異なり、中国の不動産購入者は建物の価格に注意を払う。
すべての投資家が海外の不動産に関心があるわけではない。韓国の済州島が今年うち出した国際レジャー観光エリアでは、50万ドルを投資した外国人は永住権が獲得できることになっている。北京浙江企業商会の陳俊副会長は、招待を受けて現地のホテル式アパートを2回視察した際、現地に着いて周りにいる人の話す言葉を聞くと、「95%が浙江出身者だった」と話す。
だが海外不動産の低価格は陳副部長の心を動かすことはなかった。陳副部長は「なんといっても海外だ。万が一トラブルがあれば、すぐに国際訴訟に発展する。それに海外で不動産を購入すれば牽引するのは現地経済であり、外国人はどうやって金を稼ぐというのだろう」と話す。
「人民網日本語版」2010年11月30日