中国工業情報化部直属の調査研究機関「賽迪集団」(CCID)は29日、中国で初となる「クラウド・コンピューティング産業の発展に関する白書」を発表し、中国のクラウド・コンピューティング産業の市場規模は向こう3年間で606億7800万元(約7600億円)に達する見通しを示した。中国紙、国際金融報が伝えた。
白書のプロジェクトリーダーを務める賽迪集団の赫建営ビジネス・ディレクターは28日、中国のクラウド・コンピューティング市場は2010年、約167億元(約2100億円)規模になったと説明。今後の見通しとして、年間40-50%以上の成長率を維持し、2012年には市場規模が600億元(約7700億円)を上回る見込み、と述べた。
統計によると、中国のクラウド・コンピューティングの応用は向こう3年間で、電気通信、教育、医療、金融、電力などの産業を中心に、導入企業・機関が次第に増えていく。市場規模も2009年の92億2300万元(約1200億円)から2012年には606億7800万元に拡大し、年平均成長率は87.4%に達するという。
米ソフトウェア大手マイクロソフト(中国)のチーフ・エンジニア、張湘輝氏は、ソフトウェアの伝統的なライセンス認証モデルは10-20年の発展を経て十分に成熟したが、「ソフトウェアのバージョンアップが面倒」「機能が増えても役に立つとは限らない」という不満の声もあると語り、マイクロソフトにとってクラウド・コンピューティング・モデルは挑戦であり、発展のチャンスでもあるとの認識を示した。
「人民網日本語版」2010年11月30日