▽中国は貿易黒字の引き下げに努力
対外経済貿易大学中国WTO研究院情報センターの張軍生主任の指摘によると、中国は輸入の重要性を認識し、従来の「輸出の奨励、輸入の制限」政策から現在の「貿易バランスの提唱」政策へと徐々に移行したのだという。中国政府は今年、輸入の通関手続きの利便性を強化している。
商品構造をみると、2008年の金融危機以前は、中国の輸入では工業原料、資本財が占める割合が高かったが、今年は貿易均衡の目的を踏まえて、自動車と関連部品の輸入額および輸入台数が大幅に増加した。自動車と関連部品は欧米を中心とした先進国からの輸入が多く、双方の貿易不均衡問題の解決にとって一助となった。
税関が発表したデータによると、今年10月末現在、中国の輸出入総額は2兆3934億1千万ドルに達し、前年同期比36.3%増加した。うち輸出は1兆2705億9千万ドルで同32.7%増加し、輸入は1兆1228億2千万ドルで同40.5%増加した。輸入の伸びが輸出の伸びを上回ったことが、貿易黒字の引き下げにとって重要な促進作用を果たすと同時に、人民元上昇圧力の緩和にも一定の役割を果たした。
▽中国の役割が極めて重要
張主任によると、08年の金融危機以後に中国が適時うち出した経済喚起政策が、中国の国内経済の安定・発展を保障するものとなった。グローバル経済低迷の影響を受けながらも、中国は引き続き急速な経済成長を達成した。経済成長の背後にあるのは、資本、貨物、工業製品への大量の需要であり、中国がこれらを輸入することが、先進国や新型工業国にとっては輸出を牽引する重要な促進作用となった。また中国の工業化した大規模生産には大量の原材料が必要であり、これは資源の輸出を中心とする発展途上国にとって朗報となった。
世界経済フォーラム(WEF)のクラウス・シュワブ会長がこのほど講演で述べたところによると、現在の世界の経済環境において、中国経済の急成長は極めて重要な役割を果たしている。世界経済が鈍化しても、中国の経済成長は引き続き急速なものになる。中国は未来のグローバル経済成長の中心的なパワーになるという。
「人民網日本語版」2010年12月13日