このほど発表された国際通貨基金(IMF)の季刊誌「ファイナンス・アンド・デベロップメント」に、中国経済が1%成長すると、グローバル経済がその5年後に0.4%成長するとの文章が掲載された。「法制晩報」が伝えた。
この文章はIMFが中国経済の世界への影響について、量的な分析を行った初めてのケースだ。
同文章の分析によると、中国と外界との間の貿易や資本の流動は、さまざまなルートを通じて他国の経済成長に影響することになるという。
中国の輸入は貿易相手先の輸出額や国内総生産(GDP)を直接牽引する。中国はすでに多くのアジア諸国と産業チェーンを形成しており、また中国の輸出が追い風となって、多くのアジア諸国は中国とともに国際市場への参入を果たすことが可能になった。中国の資本の進出も同様に、グローバル資本の需要・供給に影響を与えることができる。言い換えれば、中国の経済成長には各国に対する波及効果があるということだ。
同文章では中国の世界経済に対する貢献について量的な分析がなされている。短期的・中期的にみれば、中国のGDPが1%増加すると、3年後にグローバル経済のGDPが0.2%増加し、5年後には0.4%増加するという。長期的にみれば、中国のGDPが1%の成長率を5年間維持すると、グローバル経済のGDPが0.4%増加するという。
同文章の指摘によると、こうしたGDP増加の波及効果はまず貿易ルートを通じて波及し、時間の経過とともに、非貿易ルートを通じての波及効果が強まる。5年間にグローバル経済に与える波及効果のうち、非貿易要因によるものが4割を占めるという。
いわゆる非貿易ルートには、資本の流動、観光旅行、ビジネス旅行、消費の動向、ビジネスの動向などが含まれる。
1963年から2007年までの長期データの研究によると、中国経済の世界に対する波及効果が徐々に強まっているという。こうした波及効果は地理的な遠近によって開きがあり、中国との距離が近いほど、中国の成長から受ける影響も大きくなるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2010年12月14日