中国人民銀行(中央銀行)の周小川行長(総裁)はこのほど、逆周期の通貨貸出動態調整メカニズムをうち立て、充実させる必要があると指摘した。通貨貸出と流動性管理の総量調節を慎重なマクロ政策の枠組構築と結びつけ、銀行別の個別預金準備金率動態調整措置を実施し、政策ツールを補充し充実させ、通貨貸出の適切な伸びを誘導して、金融機関のリスク抵抗力を高める必要があるという。
いわゆる個別預金準備率制度とは、金融機関に適用される預金準備率、自己資本比率、資産の質の状況などの各指標をリンクさせて個別に定めるもので、自己資本比率が不足気味で資産の質が高くない金融機関に対しては貸出の拡大を制約することができるというものだ。
周行長によると、今後、国境を越えた資金の異常な流出入のリスクを効果的に防止することを前提として、資本収支の両替を緩やかに推進していく。そのための主な措置として、▽直接投資の利便化を出発点として、率先して直接投資を基本的に両替可能とする▽国境を越えた資金貸出の利便化を重点として、対外債権・対外債務における外貨管理の改革を加速させる▽個人の外貨利用における自主権の拡大に力点を於いて、個人のその他の資本収支の国境を越えた取引を一層緩和する▽資本市場の開放に重点を置き、証券投資の交換可能レベルを一層引き上げる、ことなどを予定しているという。
「人民網日本語版」2011年1月7日