「国務院の戦略的新興産業の育成・発展の加速に関する決定」では、20年の時間をかけて、省エネ・環境保護、次世代通信技術などの7つの戦略的新興産業における総合的なイノベーション能力および産業発展水準を世界のトップレベルに引き上げることが、経済社会の持続可能な発展に向けた有力な支えになるとの見方がうち出された。2011年は第12次五カ年計画(2011-15年、十二五)が始まる年であり、戦略的新興産業の基礎をどのようにうち立てるかが、各界の注目する焦点となっている。「国際金融報」が伝えた。
(1)新エネルギー産業:変化の年
政策による後押しを受けたことや、国内・海外市場の好転により、2010年の中国新エネルギー産業は「熱気あふれる」「百花斉放」の様相を呈したが、2011年には調整期を迎えるとみられる。業界内部の予測によると、2011年には中国の風力エネルギー産業と太陽電池産業の発展ペースは鈍化し、原子力エネルギーをめぐる建設が目立って加速する見込みという。
風力エネルギー産業は、第11次五カ年計画(2006-10年、十一五)期間に毎年100%を超える成長率で市場が拡大し、2010年には明らかに転換点を迎えた。ある統計によると、10年の風力発電設備の年間増加率は50%に上るとみられ、11-12年には30%に鈍化する見込みだという。
太陽電池産業は、過去2年間に急速な成長を遂げ、10年の太陽電池生産量は8ギガワット(GW)に達して、世界の生産量全体の50%を占めた。だが中国企業の生産能力が拡大を続ける一方で、欧州市場は飽和状態に近づいた。そこである業界関係者は、海外市場が萎縮したことにより、需要側は総合力の高い太陽電池メーカーにより多くの注文を出さざるを得なくなり、11年には中国太陽電池メーカーに強い者はより強く、大きい者が小さい者を飲み込むという局面が生じ、市場の調整が進められると予測する。
原子力エネルギー産業は、ある業界関係者によれば11年は急速拡大の年になるという。国の「原子力発電中・長期発展計画」によると、原子力発電の発展目標は、20年に稼働する設備容量を8千万キロワットに引き上げるというものであり、原子力発電所の建設周期が4-5年であることを考えると15年の設備容量目標は1500万キロワットを超えることになる。この目標を達成するには、11年に十分な量の原子力発電所の着工を確保しなければならない。そこで国内の専門家は、新エネルギー政策の後押しを受けて、11年には国内の原子力発電所建設が急ピッチで進められるとの見方を相次いで示す。