(4)環境保護産業:戦略モデル転換の年
「国務院の戦略的新興産業の育成・発展の加速に関する決定」は省エネ・環境保護産業を七大新興産業の首位に置いている。国家発展改革委員会がサイトで発表したデータによると、今後長期間にわたり、環境保護産業は年平均15-20%の成長ペースを維持することが予想される。十二五期間中、省エネ・環境保護産業は戦略的新興産業として、十一五期間の2倍以上に相当する3兆元を超える投資を必要とし、徐々に世界最大規模の省エネ・環境保護産業に成長するとみられる。業界関係者の間では、省エネ・環境保護は空前絶後のチャンスを迎え、今後3-5年間には十一五が重点的に支援した新エネルギー産業に取って代わって爆発的な発展を遂げるとの見方が一般的だ。
省エネとは主に工業分野の省エネと建築分野の省エネを指し、環境保護とは主に汚水処理、固形廃棄物処理、脱硫、脱硝酸、粉塵除去などを指す。中国の省エネ・環境保護産業を俯瞰すると、各環節の競争やグレードアップが産業チェーン全体の競争になっていると同時に、企業はプロジェクト主導型の収益モデルから産業チェーン主導型の収益モデルへと移行しつつある。
ある見方によると、省エネ・環境保護を十二五の七大産業の中核とするならば、「省エネサービス」が中核の中の中核になるという。うちエネルギー管理システム(EMC)という新たな省エネサービスのビジネスモデルが、伝統的モデルにみられた主体の不明確さ、企業の動力不足といった問題点を改め、今後は省エネの大きな流れの中で利益を生み出すものになるとみられる。また工業分野の省エネは潜在力が最も大きい分野であり、建設分野の省エネは今後の発展の方向性になるとみられる。
(5)情報技術産業三網融合の年
11年は次世代通信技術産業にとって、政策面でも技術面でも好材料がそろう最善の年になるとみられる。次世代通信産業とは、次世代通信ネットワーク、物流網、:三網融合(電気通信ネットワーク、ラジオ・テレビネットワーク、インターネットの3つのネットワークの融合)、新型平面ディスプレー、高性能集積回路、ハイエンドソフトウエアなどを網羅するものだ。
中でも最近注目を集めているのは第3世代移動通信規格(3G)、三網融合、物流ネットワークなどだ。三網融合についていえば、11年は有線ネットワークの省レベルネットワークの調整、地域をまたがった合併買収、大規模な三網融合の新業務の推進を完了する重要な年になるとみられる。現在、全国で有線ネットワークの整備が完了した省・自治区・直轄市は14カ所に過ぎず、県や郷のレベルではほとんど整備が進んでいない。残りの17省・自治区・直轄市では整備が進行中で、その進展状況に応じて、11年には有線ネットワークキャリアの利用者数が倍々成長を遂げるとみられる。
3Gは、発展ペースが予測に達していない。09年は中国の3G発展元年だったが、10年の中頃になっても3G利用者は約2520万件にとどまった。このペースで発展すると、工業情報化部など8部門が「第3世代移動通信ネットワーク建設の推進に関する意見」でうち出した、11年に中国の3G利用者を1億5千万件にするという目標の達成は難しい。ここからわかることは、11年に3Gは急速な発展期を迎える可能性が極めて高いということだ。
「人民網日本語版」2011年1月10日