自動車の生産・販売台数で2年連続の世界一を達成した中国は、自主ブランドでも成果を上げている。中国自動車工業協会がこのほど発表したデータによると、中国自主ブランドの販売台数は2010年、09年比37.05%増の627万3千台に達し、伸び率は1.3%上昇した。自主ブランド車の販売台数は同32.28%増の293万3千台、伸び率は1.22%上昇した。中国紙、国際金融報が伝えた。
うち長城汽車の販売台数は累計39万7300台、09年比77%増と業界の平均水準を大きく上回り、中国の自動車ブランドとしては最高の伸び率を記録した。奇瑞汽車(Chery)も70万台を突破し、乗用車メーカーで8位に付けた。また、スウェーデンの高級車ブランド「ボルボ(Volvo)」を昨年買収した吉利汽車も所期の成長目標22%を達成した。自主ブランドが好調に業績を伸ばしている理由について、業界関係者は、戦略の転換や技術のレベルアップと関係がある、と分析する。例えば、“中国製”のブランドを構築するとともに、自社の技術センターの設立を意欲的に進める方針を長城汽車が何度も表明していることから見て取れるという。
一方、販売台数は多くても、海外の自動車ブランドや合弁ブランドと比べると、実質的にまだ“駆け出し”の段階に過ぎない、との見方もある。2010年の販売台数ランキングで、上位3位に入った合弁ブランドと、長城、奇瑞など自主ブランドの販売台数には大きな開きが存在するほか、自主ブランドには比亜迪汽車(BYD)など年間目標を達成していないメーカーもみられる。また、小型車向け優遇税制の廃止や自動車市場の減速見通し、ハイエンド化など、さまざまな難題を背景に、自主ブランドは来年も厳しい状況に立たされる、と警鐘を鳴らす声も業界内から上がっている。
「人民網日本語版」2011年1月13日