経済構造の戦略的調整を推進するためには、多層的な資本市場システムの整備を加速させることが求められる。
世界的に経済構造の大調整が進む中で、資源、環境、輸出など多方面の制約を受け、加工製造業を主とする中国の経済構造は維持しにくくなっている。経済構造を調整する上で重要なのは、市場が資源配分において基礎的な役割を発揮することである。整備された多層的・合理的な構造・完備された機能をもつ資本市場システムを構築し、資本市場が資源配分を最適化する機能を十分に発揮することで、伝統産業の最適化とグレードアップを助け、中国製造業のコア競争力を高める。そのほか、企業合併を合理的に導き、立ち遅れた生産能力を淘汰し、高品質資源が優良企業に集中するよう促進し、産業集中度を向上させ、経済構造調整に対し重要なプラットフォームとサポートを与えることができる。
イノベーション国家戦略を確立するためには、イノベーションをバックアップする資本市場の役割を十分に発揮する必要がある。
国際金融危機以降、主要経済体は次々と「新エネルギー」「新材料」「インターネット情報」「生物医薬」「省エネ環境保護」「低炭素技術」「エコ経済」を次の発展目標としている。この大きな動きに直面した今、イノベーション能力を高め、イノベーション国家建設を加速するには一刻の猶予も許されない。ここ数年、中国証券監督管理委員会は、資本市場システムの建設を加速し、ハイテク企業およびイノベーション企業の発展をサポートしてきた。その第一歩として、私募株式投資ファンドやベンチャー投資ファンド等各種リソースが共同でイノベーション・起業に参入する構造を形成した。今後は、資本市場によるイノベーション・起業サポートの優位性を一層強め、場外市場建設を速め、科学技術と資本の有効的な融合を促進し、戦略的新興産業を育成し発展させなければならない。