『中国とアフリカの経済貿易協力』白書(全文)

『中国とアフリカの経済貿易協力』白書(全文)。

タグ: 中国 アフリカ 経済 貿易 白書

発信時間: 2011-01-19 15:44:10 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中華人民共和国国務院報道弁公室 2010年12月・北京

前書き

中国は、世界最大の発展途上国であり、アフリカは発展途上国が最も多い大陸である。中国とアフリカの人口は、世界の3分の1以上を占めており、経済発展と社会進歩を促すことは、中国とアフリカがともに直面している課題である。 長年にわたる発展過程において、中国とアフリカは、十分に双方の資源条件と経済構造などの面における相互補完を発揮させ、平等な関係、実効の追求、互恵共栄、共同発展の原則に基づき、引き続き経済貿易関係の強化を行い、互恵・ウィンウィンの実現に尽力している。実践が立証しているように、中国とアフリカの経済貿易関係が双方の共通の利益に合致し、アフリカの国連ミレニアム開発目標(MDGs)の実現に役立ち、中国とアフリカがともに繁栄し進歩できるよう促すものである。 20世紀50年代の中国とアフリカの経済貿易関係は、貿易と対アフリカ援助に重きを置いていた。双方の努力の結果、協力分野は絶えず拡大し、協力内容も日を追うごとに豊富になった。特に2000年の中国・アフリカ協力フォーラム発足後は、双方の経済と貿易協力が、さらに強化され、また、活発になった。貿易、投資、インフラ整備、能力の育成を全面的に推進し、金融、観光などの分野の協力関係をちくじ拡充させ、さまざまなレベルや広域における協力枠組みを形成し、新たな歴史的出発点に立ったといえる。 中国とアフリカの経済貿易は、南南協力の重要な構成部分であり、南南協力に活力を注入し、発展途上国の国際政治経済における地位を向上させるようにし、公正かつ合理的な国際政治経済の新秩序を構築する上で、重要な役割を果たしている。中国もその他の国や国際組織とともに、アフリカ諸国との折衝や協調関係を強化し、協力してアフリカの建設に参加し、アフリカの平和と発展、そして進歩を促すよう願っている。

一、バランスのとれた貿易の発展を促進

貿易は、中国とアフリカの経済貿易協力のもっとも基本的な形である。中国とアフリカ関係の発展と交流の増加に伴い、中国とアフリカの貿易の規模は、日増しに拡大している。1950年における、中国とアフリカとの貿易額はわずか1214万ドルにとどまっていたが、1960年には1億ドル、1980年には10億ドルを超えるものとなった。2000年には100億ドル以上の大台に乗り、その後、中国とアフリカ諸国との貿易は急速に成長する勢いを呈した。2008年には1000億ドルを突破し、そのうち、中国の対アフリカ輸出額は508億ドルで、アフリカからの輸入額は560億ドルにのぼった。2000年から2008年までの、中国とアフリカの貿易額の年間平均伸び率は33.5%に増え、中国の対外貿易総額に占める比率は2.2%から4.2%に上昇し、アフリカの対外貿易総額に占める比率は3.8%から10.4%まで増加した。2009年には世界的な金融危機の影響で、中国とアフリカの貿易額は910億7000万ドルに下がったが、当時、中国はアフリカの第1の貿易パートナーとなった。世界経済の回復に伴い、中国とアフリカの貿易もめざましい回復と発展の傾向が現れた。2010年1月から11月までの中国とアフリカの貿易額は1148億1000万ドルに達し、同期比伸び率は43.5%となった。

規模の拡大と同時に、中国とアフリカの貿易構造もちくじ最適化され、双方は、市場において比較的優位性のある製品を、お互いの市場に進出させることができるようになった。20世紀80年代から90年代にかけての主な対アフリカ輸出品は、軽工業製品、食品、化学工業製品、特産品・畜産物などであった。2000年以降は、機械設備、自動車、電子製品など電子機械製品の輸出がいちじるしく伸び、商品の質や技術の面でも大いに向上した。現在、中国の対アフリカ輸出品の中で、電子機械製品が占める割合はすでに50%を超えている。アフリカから中国に輸出されているものでは、かつては、主に綿花、リン酸塩など第一次産品であった。しかし、近年は、アフリカの鋼材、銅材、化学肥料、電子製品などの工業製品も次々に中国市場にもたらされるようになった。同時に、アフリカの農産物の対中輸出も急増した。エジプトの柑橘類、南アフリカのワイン、ガーナのカカオ、ウガンダのコーヒー、チュニジアのオリーブオイル、エチオピアのゴマなどの特産品は、中国の消費者の間でもよく知られるようになり、好まれている。国際金融危機の影響を受け、2009年のアフリカからの輸入量はいくらか減少したが、農産物の輸入は25%増であった。 長年、中国は互恵共栄の原則を遵守し、貿易の利便化を進め、その中で中国とアフリカの貿易の総合的バランスのとれた発展を促してきた。中国はすでにアフリカの45の国と二国間貿易協定を締結しており、税関、税務、検査、検疫などの分野において協力関係を築き、中国とアフリカの貿易発展のために望ましい条件をつくり上げた。アフリカ諸国からの対中輸出の拡大をサポートするため、2005年から中国は、アフリカの後発発展途上国に対中輸出のゼロ関税政策を適用することになった。2010年7月までに、この政策の恩恵を受けた商品は、4700品目以上にのぼり、今後は『中華人民共和国税関輸出入税則』に含まれるすべての関税品目の95%の商品に適用されることになっている。ゼロ関税政策のもとで、該当するアフリカの商品の対中輸出が急増している。2005年から2010年6月末までに、ゼロ関税の特典の実施でアフリカからの輸入商品は累計13億2000万ドルにのぼり、農産物、皮革、石材、繊維製品・アパレル、機械部品、ベースメタル、木製品などを含むことになった。中国は、アフリカ商品展示会の開催、アフリカ製品展示即売センターの設立、さらには、展示ブースの費用を減免するなどの優遇措置により、アフリカ企業の中国市場開拓をサポートしている。 現在、中国とアフリカは、共に工業化、都市化の途上にあり、市場ニーズは旺盛で、中国とアフリカの貿易は大きな潜在力を秘めている。中国からすれば、アフリカの原油、鉱産物、鋼材、農産物などの対中輸出は、中国経済の発展や国民生活のレベルアップに積極的な役割を果たしている。アフリカにとって、中国の産業と技術は、アフリカの発展に必要なものであり、また、中国の巨大な市場もアフリカの商品に多大な発展スペースを提供している。特に、経済が持続的かつ急速に発展している中国は、アフリカにとって資源製品を輸出する安定した市場となっている。また同時に、良質で安価な中国製品がアフリカに輸入されることで、アフリカ諸国の民衆の生活レベルの向上を支援することができ、また、アフリカの一部の国のインフレを抑制し緩和させることにもプラスとなっている。

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