四、発展のための能力育成に力を入れる
発展は、アフリカが直面する最も差し迫った問題である。技術や人材の不足が、アフリカの発展を妨げる主因となっている。中国政府は、アフリカの発展能力の育成を非常に重視しており、アフリカ諸国との人的資源の育成における協力、アフリカへの専門家や青年ボランティアなどの派遣を通じて、アフリカ諸国自体が「造血」機能(自己発展能力)を向上させることを目指している。 教育面での交流と協力関係の強化。中国とアフリカの間では教育面での協力が著しい成果を上げており、アフリカ諸国のために多くの人材を育成している。2009年末現在、中国は107ヵ所の学校の建設を支援し、アフリカからの留学生2万9465人に政府奨学金を提供している。現在、中国政府は毎年約5000人分の奨学金をアフリカ諸国に提供している。また、大学教育や職業教育、遠隔教育などの面で協力関係を築いており、アフリカで、バイオ、コンピューター、分析化学、食品鮮度を保つための加工、園芸、土木建築などの専門的な研究施設を建設している。 管理と技術トレーニングの展開。中国は多種多様なやり方で、アフリカの管理人材及び技術人材の育成を支援している。2010年6月までに、中国が育成した各種分野の人材は3万人以上にのぼり、その内訳は、経済、公共行政管理、農林水産・牧畜業、医療・衛生、科学技術、環境保護など20の分野に及ぶ。また、アフリカにある中国企業は、職業訓練センターの設立、インターンシップ、または、優秀な人材を中国に派遣して研修を受けさせるなどの方法で、アフリカ諸国内に所在する企業において、熟練したスキルを身につけた人材を数多く育成している。 実用的な技術トレーニングの実施。中国は、アフリカの多くの国で、栽培業、養殖業、漁業、編み物、刺繍、皮革加工などの実用的な技術トレーニングを行っている。例えば、リベリアの戦後難民や中途退学を余儀なくされた学生、貧しい農民などに、竹藤編み技術のトレーニングを行い、リベリアでの竹藤編み産業の発展を促している。このトレーニングに参加している人たちは、自分で作ったものを売ることで、月収として150ドルを手にすることができ、生活の改善に役立っている。 専門家や青年ボランティアの派遣支援。2009年末までに、中国はアフリカの33の国に104名の高い技術力を持つ農業技術専門家を派遣し、アフリカ諸国の農業発展計画制定を支援し、農業技術の指導と技術トレーニングなどを行っている。派遣された専門家は、中国の支援プロジェクトの生産運営を指導し、地元の管理人材を育成し、アフリカ諸国が独自にプロジェクトを管理できる能力をマスターできるよう支援している。また、国連食糧農業機関(FAO)と協力し、モーリタニア、ガーナ、エチオピア、ガボン、シエラレオネ、マリ、ナイジェリアなどの国々と『南南協力三者協議』を締結し、中国から累計600名以上の農業専門家と技術者を派遣した。2009年末までに、中国からアフリカに派遣された青年ボランティアは312名にのぼり、中国語教育、医療・衛生、スポーツ教育、コンピューター技術者のトレーニング、国際救援活動などにおいて、ボランティア活動を行った。