六、中国とアフリカの協力分野を拡大
近年来、中国とアフリカの協力分野はますます広がり、金融や観光、航空、環境保全などが、ちくじ新しい協力分野、新しいスポットとなっている。また、中国とアフリカは多角的枠組みのもとで気候変動対応などのグローバルな問題について支援し合い、協力を強化している。 金融協力を深める。中国政府は、中国とアフリカの金融機構が交流と協力を増強し、双方の企業に全方位の金融サービスを提供する支援を行っている。中国の国家開発銀行、中国輸出入銀行、中国工商銀行、中国銀行、中国建設銀行はアフリカ大陸で業務を広く展開しており、国際決済や貿易、融資などのサービスを提供し、その中で、融資分野は、製造やエネルギー、通信、電力、給水、交通、農業、物流などに及んでいる。中国の金融機構はザンビア、南アフリカ、エジプトなどに支社または代表事務所を設置している。中国はアフリカ開発銀行(AfDB)や西アフリカ開発銀行(BOAD)などに加入して、寄付や債務削減、技術協力基金の設置などによってアフリカの貧困削減と事業の発展を支援している。一方、アフリカの金融機構は対中業務の展開に努めている。2009年末現在、エジプト、モロッコ、カメルーン、南アフリカ、ナイジェリアなど5ヵ国、6社の銀行は、中国に支社または代表事務所を設置している。 観光協力を進める。観光はアフリカ諸国で注目されている新興産業の1つであり、中国とアフリカのサービス貿易における新しい成長スポットにもなっている。中国はアフリカ諸国との観光協力を積極的に進めている。2002年にエジプトはアフリカで最初の中国大陸の人びとの団体旅行目的地となった。2009年末現在、アフリカの28の国と地域が中国大陸の人びとの団体旅行目的地となっている。2009年にアフリカを第1目的地として訪れた中国大陸の人びとは、延べ38万1000人にのぼり、前年同期比18.5%増となった。中国を訪れたアフリカの観光客は延べ40万1000人で、前年同期比6%増であった。また、中国の企業はアフリカで旅行社やレストランを開業し、ホテルの建設や管理などに参加している。 航空輸送協力を強化する。中国は双方の航空企業が提携を深め、人的往来と貨物輸送の便をはかるために、中国とアフリカを結ぶ、より多くの直行航空路の開通をサポートしている。2009年末現在、中国はエチオピア、アンゴラ、ザンビア、南アフリカなどの15ヵ国との間で民間航空輸送協定に調印し、セイシェル、リビア、ウガンダなどの6ヵ国と民間航空輸送協定に仮調印した。現在、エジプト、エチオピア、ジンバブエ、ケニア、アルジェリアなどの航空会社は北京や広州への直行便を運航させている。中国の航空会社は北京からナイジェリアのラゴス、アンゴラのルアンダ、スーダンのハルツームまでの直行便を運航している。そのほか、中国の航空主管部門は国際民間航空機関(ICAO)などを通じてアフリカに対する援助協力を行っており、アフリカの民間航空安全レベルを向上させるために2008年から2011年までに毎年ICAOの「アフリカにおける航空安全の包括的地域実施計画」に対して10万ドルの寄付を行うことを承諾している。 環境保全協力を行う。環境保全と気候変動への対応は世界が直面している共通の問題である。中国・アフリカ協力フォーラムの枠組みの下で、中国とアフリカ諸国は中国・アフリカ環境保全協力会議を開き、中国・アフリカ人的資源・環境人材育成計画を実施し、国連環境計画 (UNEP)・中国・アフリカ環境センターを設置した。中国政府は中国・アフリカ気候変動対応パートナーシップを構築し、気象衛星による観測や新エネルギーの開発利用、砂漠化対策、都市環境保全などの分野における協力を深めることを提唱している。中国とアフリカ諸国は気候変動に関する国際交渉などについて掘り下げて意見交換を行い、発展途上国の共通利益の維持に努めている。中国は気候変動への対応におけるアフリカの正当な権利を擁護し、温室効果ガス排出削減の長期目標などにおいてアフリカに最大限の配慮を行っている。中国は、資金面ではアフリカと援助を奪い合うようなことをせず、またアフリカの実際のニーズに合わせて資金的、技術的な支援を行い、能力育成を強化させる支援を行うことを承諾している。現在、中国はアフリカの一部の国とメタンガス技術や水力発電、太陽光発電、風力発電などにおける協力を行っている。