ベスト10入りした車種の多くは排気量1.6リットル以下のエンジンを搭載しており、中国政府が低排気量車を対象にうち出した税優遇措置が販売台数を押し上げたものとみられる。注目すべき点は、2010年に中国の自動車生産台数が1826万4700台に達して同32.44%増加し、販売台数が1806万1900台に達して同32.37%増加し、いずれも過去最高を更新して記録を塗り替えるとともに、前年に続き世界一の座を維持したことだ。同協会は2011年の生産販売台数増加率を10-15%と予測する。
あるアナリストの指摘によると、日系自動車メーカーが「ワーテルローの戦い」に破れて後退する羽目に陥った主な原因は、排気量1.6リットル以下車の割合がかなり低いこと、既存の部品調達システムがコスト引き下げを難しくしていることにある。だが海外ブランド車にとって、中国の巨大な自動車消費市場は引き続き「一攫千金」を夢見る理想の地であり続けるとみられる。たとえばトヨタは、2011年の中国市場での販売台数目標を例年通り10万台増やして90万台としている。
こうした動きについて、コンサルティング会社・新華信国際信息諮詢の自動車分野の専門家・郎学紅氏は次のように話す。日系車の中国シェア低下の主な原因は、トヨタを代表とするリコール事件の影響が完全に消え去っていないことにある。トヨタの場合、増加ペースを落として、発覚した問題の処理を進めている。現在はなお調整の段階にあり、ブランドの競争局面はまだ確定していない。日系車は一定期間の調整を経た後、中国市場シェアを徐々に回復するとみられる。当然のことながら、日系車の販売台数は市場により受け入れられるようになるかどうかにかかっており、またメーカー側の製品投入ペースや成長目標の調整などとも密接に関連するという。
「人民網日本語版」2011年1月19日