一年の計は春にあり。これは農業だけでなく、春を迎えたA株市場にも言えるのかもしれない。
株価を見ると、A株市場は2カ月余りの調整期を経て、銀行などの大型株が史上最低の水準に落ち込み、これ以上さがりようのない段階にまで来ている。また、この前一時的に上がり調子だった中小市場の株も多くが著しい下げ幅をつけ、10元以下の小株が大量に発生した。しかしこれらは多くが、業績が良く成長見込みのある銘柄である。ある程度安全であると見ることができよう。
歴史的に最も堅実に推移してきた医薬と食品セクタに着目してみよう。医薬セクタの平均株価収益率は26.7倍に過ぎず、医薬セクタ分野の成長性を考慮に入れれば、同セクタ全体の株価は合理的な水準に落ちついていると言える。過去を振り返ると医薬セクタは、最も低迷していた2005年から2008年の期間にのみ、平均株価収益率が30倍を下回っていた。また、食品セクタでは、前期における茅台・五糧液・滬州老窖の下落を経て、2011年のPEは20~25倍に下がっている。歴史的な平均PEの水準と比べると、主要食品企業の株価水準はみな2005年~2010年の平均水準にはるか及ばない。