1つ目の壁は、人民元の対ドルレートが日に日に上昇を続けていることである。これは自動車輸出企業に大きなプレッシャーを与えることになり、「一部の製品は生産能力の向上や企業提携によって、緩和することもできるが、レートの上昇が及ぼす影響をコントロールすることは難しい。価格を上げることでしか、解決することができないので、結局は価格競争での優位性を失うことになる」と楊愛国氏は言う。
次の壁は、自動車の輸出価格を安く抑えるために、輸出車種は中・低価格のモデルがほとんどを占めていることだ。これにより、国内の輸出企業の世界での競争力は弱まり、利益率が減少する。そして、企業は過剰に価格を下げ、他国が中国に対しアンチダンピング措置を取る格好の餌になってしまう。
3つ目の壁は、大部分の自動車輸出企業にとって、海外市場でのアフターサービスや部品提供サービスのネットワークを確立することは、世界進出のネックとなる。特に新しい市場に進出するときには、無視できない問題だ。
4つ目の壁は、自動車の承認制度である。特に、先進国では、企業が単独で申請しても、時間もかかれば、お金もかかるし、手続きも複雑だ。楊愛国氏は「中国政府は海外政府との協力関係を強化し、互いの国の車種の型式を承認する政策を取るべきである」と指摘する。
そして、最後の壁は輸出体制だ。楊愛国氏は「輸出の秩序を保つためには、厳しい体制を構築する必要がある。輸出市場を故意に乱す行為や、度を超えた値下げや、無責任な企業に関しては、処罰措置を取り、中国製品の全体的なイメージを守るべきだ」との意見を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年2月17日