環球網は、米華字紙「僑報」が13日に掲載した文章を転載し、次のように伝えた。
大陸東部沿海地域では近年、春節の前後になると毎年のように「労働者不足」が発生している。今年はこのありふれた話題に新たな内容が加わった。これまで労働者不足に悩んできたのは東部の企業だけだったのに対し、今年は中西部企業も労働者不足に悩まされているのだ。このため、東西で農村からの出稼ぎ労働者の「争奪戦」が勃発、企業や各地の政府は労働者を確保するため、様々な策を繰り出した。上海の企業が、安徽省・河南省の労働者を上海まで送迎すべく数百台のバスを派遣したかと思えば、重慶では実家で新年を迎える労働者を「引き止める」ことが役人の任務となった。労働者はあちこちからまさに引っ張りだこ状態だ。
このニュースには、喜ばしい点もあり、心配な点もある。
喜ばしい点は、西部大開発戦略・中部台頭戦略が成果をあげ、中西部都市と東部沿海地域の経済格差が縮小しつつあり、労働集約型企業の多くが中西部に移転していることだ。現地(人口の多い河南省、四川省などを含む)の労働力が足りなくなってきているのもこのためだ。中西部都市の賃金水準も東部と近づきつつある。中国国家統計局が2009年に行った調査によると、東西部における労働者の月収差はわずか5%だった。ちなみに5年前はこの差が15%だった。生活コストを考慮すると、東部地域の賃金的メリットはすでになくなっている。
企業は労働者を確保するため、出稼ぎ労働者の賃金を次々と上げている。月給2千元-3千元のところも少なくなく、ポストによっては4千元に達するところもある。出稼ぎ労働者の収入増加は、中国が輸出けん引型の経済成長から内需けん引型、特に消費需要けん引型の経済成長へのモデルチェンジという重要問題を解決する上で有力なサポートとなる。昨年、中国の農村住民平均所得の伸び幅は都市住民を上回った。中でも、出稼ぎ労働者の賃金所得は17.9%増加し、都市・農村住民の収入の差は近年で初めて縮小の兆しが見られた。人数の多い農民が十分な資金を持つことで初めて中国は真の意味で内需を拡大できる。これは、均衡の取れた経済体系確立のために避けて通れない道だ。従来型の、貿易赤字を絶えず拡大することで国内需要を満足させるという経済成長モデルは絶対に長続きしない。