先週水曜日、上海と深圳の株式市場は急上昇し、前場で上海株式総合指数2900ポイント前後でのぎりぎりのもみ合いがあった。金融・不動産・石油の三大市場の低調ぶりが明らかに足を引っ張ってはいたが、全体としてはかなり活発と言え、機械・建材・鉄鋼・化学工業・石炭などで株価上昇幅が以前の水準を維持し、八割の株が上昇した。
今回の上昇トレンドが継続する条件は揃っている
短期技術の動向から見ると、2900ポイント付近での調整は必要があってなされることであり、理にかなった動きであると言える。これは市場の運営に有利に働く。今回の上昇トレンドでは10取引日で10%近く上昇しており、利食いによる売りは消化される必要がある。
また、株価指数は過去の取引成立密集区間に達し、戻り売りもさらなる株価上昇に圧力となっている。先週水曜日の市場では上昇後に反落があったが、反落の過程で限界まで下げ止まったようには見えず、短期的には安定するであろうこと、全体の上昇気運は未だかなり高いことがうかがえる。従って、2950ポイント付近でテクニカル的圧力を受けても、市場自体が上昇傾向にあることは変わらない。
短期市場の楽観ムードも高まっている。2011年に入ってから、異常気象や春節期間の物価上昇要因により、インフレ懸念が一層高まったが、春節を過ぎたあたりからインフレへの不安は落ち着いている。特に、先週火曜日に発表された消費者物価指数が大方の予想を下回ったことを受けて、短期市場のインフレ懸念はかなり解消された。また、証券・自動車・機械業界などがこのほど発表した1月期の業績指標が軒並み良好だったおかげで、業績に対する悲観的観測が下火となり、投資家に安心感を与えるとともに、2011年のマクロ経済も拡大傾向が維持されている。従って、機械・自動車・証券など周期性のある業界の株価が比較的低い水準にあることに、業績の安定的向上という要因が加わり、れらの株はさらなる上昇局面を迎えると思われる。