(3)新車の研究開発・導入ペースが遅く、宣伝も不足
3ネットワークの融合失敗であれ、トップの相次ぐ辞任であれ、根本的な原因は販売台数の低迷にある。これはスズキがライバルとの開発競争や宣伝合戦で立ち遅れていることと深い関係がある。欧州ブランドや米国ブランド、また日本ブランドと比較しても、スズキの新車開発ペースは明らかに遅く、中国市場ではさらに遅さが際だつ。他のメーカーが中国向け新車の開発に身を削っている時に、スズキは1年1車種のペースで熾烈な競争が繰り広げられる中国市場に打って出ている。協力パートナーはやむを得ず、カスタマイズ部分で販売促進をはかり、サンルーフがついただけで宣伝をうち出すという情況だが、これなどは他のメーカーでは宣伝の対象にならない。
また輸入車についてみると、ジムニーやエクスードは長年市場に出ていながら、バージョンアップの話が聞こえず、スポーツ用多目的車(SUV)の急速発展期にあって、少しもパイにあずかれていない。期待の新車キザシすら失敗に終わった。製品への力の投入の不足だけでなく、製品の宣伝もまったく不十分で、アルト、スイフト、SX4を除いて、スズキの車の知名度は低く、キザシも多くの消費者によく理解されているとは言い難い。
3ネットワーク融合、トップのたびたびの交代、販売台数の低迷は、相互に影響し合いながらつながっている。スズキ中国が自身に存在する問題をしっかりと認識しなければ、問題を解決して、新たに中国市場に打って出ることはできず、競争の激しい中国市場で足場を築くこともできない。
「人民網日本語版」2011年2月21日