「青海省西寧市と西蔵(チベット)自治区拉薩(ラサ)を結ぶ青蔵鉄道が開通してちょうど5年が経ちますが、チベット住民のこの生命線を高速化できればと思っています」----。全国政治協商会議委員で西蔵自治区文学芸術界連合会の副主席でもある美朗多吉氏(西蔵族)は3日、拉薩を朝方出発して、翌日の午後には北京に到着しているというのが最大の夢だ、と青蔵鉄道の高速化に向けた思いを語った。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
「第12次五カ年計画(2011-2015年、十二五)の幕開けとなる今年、青蔵鉄道の高速化の夢を実現させたいと考えます」----。第11期全国政協第4回会議に出席した美朗多吉氏はこう語った。今月1日午前8時6分、丸2日間列車に揺られ、北京西駅に到着した美朗多吉氏。42時間21分にわたる移動で、今年の提案に向けた決意が一層固まったと話す。
甘粛省蘭州市と青海省西寧市を結ぶ蘭青鉄道と青蔵鉄道西格線の一部区間を走る列車は2011年、時速160キロまで引き上げられ、普通列車から高速列車にシフトする。しかしテンポをさらに速めてもいいのではないか、と語る美朗多吉氏。現在最も難しいとされる拉薩-格爾木(ゴルムド)間は地形や気候などの関係で100キロ程度が限界だが、西寧-格爾木間、蘭州-西寧間などは時速150-180キロまで、蘭州-包頭間にいたっては時速180キロ前後まで加速が可能であることが、調査研究の過程で分かったという。「実現すれば拉薩から北京までの所要時間が10時間ほど短縮される」
「わたしたち西蔵族は青蔵鉄道をよく利用します。なぜ生命線、幸福線、経済線なのかというと、それがなくてはならないものだからです」----。美朗多吉氏は、青蔵鉄道が高速化されれば、経済だけでなく、ヒトやモノの流れなどさまざまな面から西蔵の発展が促されるだろう、と語った。
「人民網日本語版」2011年3月4日