「中国の外貨準備高は2010年、2兆8千億ドルに達し、世界一になった。年末には3万ドルに迫るとみられる」
香港の政治協商委員で香港特別行政区策略発展委員会の劉夢熊委員は人民網の取材に応じた際、上の数字を示した。
莫大な外貨準備の価値をいかに保持し増加させるかについて、劉氏は以下の4点を指摘する。
(1)市場経済の条件のもと、エネルギー、株式、鉱物、農業、科学技術など一連の国家級基金を設立し、外貨準備に対するリスクを分散管理する。その一方で、世界範囲における有能な人材の募集や経営の専門家、管理人材の招へいを行う。この点については、シンガポール政府系投資会社テマセク・ホールディングスのやり方を参考にすれば、高効率で安定した方法で外貨準備を管理することができる。同社は設立20年近く経つが、年間の投資回収率(ROI)は18%、昨年上半期にいたっては42%に達している。
(2)外貨準備高の膨張は外貨規制策と関係がある。中国は現在、厳格な外貨規制を設けており、輸出企業の外貨収入は全て人民元に強制的に転換される。中国が市場経済体制をすでに確立したことにかんがみると、強制転換の割合を100%から70%に、あるいはもう一歩進んで50%まで引き下げるなど、適度に緩和することを検討してもよい。こうすれば、企業は残りの30%ないし50%の外貨を自主的に利用して配置の最適化を行い、一層の効率と利益を上げることができる。これは巨額の外貨を統一的に管理する国家の負担軽減にもつながる。