米ハイ・フリクエンシー・ エコノミクスのチーフエコノミスト、カール・ウェインバーグ氏は13日、今回の大地震で日本経済は多大な損失を被ると述べた。日本は国内資源が乏しく、通貨政策や財政政策にも限界があるため、日本経済への影響は阪神大震災を上回る可能性があるという。
ウェインバーグ氏によれば、日本は震災後の復興に多額の資金が必要となるが、日本政府の債務は経済総量の2倍以上と先進国の中でも最も多い上、日本の財政赤字は国内総生産の10%近くを占めている。政府自体に利用できる資源がほとんどなく、再建資金をいかに集めるかが大きな問題となる。
日本で大地震が発生後、地震による短期的損失は克服可能で、長期的には再建の過程で雇用が創出できるため、日本経済の発展に有利となるとの見方を示す経済学者もいるが、ウェインバーグ氏はこの意見に否定的だ。米同時多発テロ事件後のニューヨークにしても、ハリケーン・カタリーナの被害にあったニューオリンズ市にしても、大災害の後、経済は萎縮し、その影響が国全体に及んだ。
米メリルリンチ社の最新報告によると、1995年の阪神大震災によって日本の経済成長は0.4~0.5ポイント落ち込んだとみられている。
ウェインバーグ氏は「大地震で電力網や道路、港湾など日本のインフラが大量に破壊されたため、日本のほぼすべての企業がこの影響を受ける」と指摘する。
日本の電力の30%で原子力発電で賄われている。ハイ・フリクエンシー・ エコノミクス社は、日本の半分以上の原子力エネルギー供給がすでにストップしており、電力不足が生産力に直接影響すると予測している。港湾の被害も、輸出に頼っている日本経済に間違いなく深刻な打撃を与えるとみられている。
▽震災の影響が世界経済に波及
日本の大地震による世界各国の経済への影響について、ウェインバーグ氏は、2つの角度から世界経済に波及すると説明した。その一つは、日本は世界第三の輸出大国であることから、世界各国の企業が日本が提供する製品に頼っているが、その供給源が断たれ、生産停止に追い込まれる恐れがあること。もう一つは、日本は各種製品の輸入大国でもあることから、需要の変化が国際市場の価格混乱を招く可能性があるというものだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年3月15日