第三に、日本文化は集団行動を重んじるが、これには悪い習慣・悪習も隠されている。これは、日本に長期滞在している外国人しか感じられないことだ。地震と津波は突発的事件であり、国民が蓄積した忍耐力は国際社会からの賞賛を受けている。しかし、なかなか解決しない放射能漏れ処理に、日本人は集団で自信を喪失してしまったようだ。多くの外国人が日本から撤退し、日本国民も地方へと避難し、食品や水を買いだめしている。これらは、集団のいらいらした雰囲気に個人が耐えられなくなった様子が反映されている。「集団意識」の下に隠れた危機は日本社会のいたるところに浸透している。たとえば日本の若者は物事に対しても人に対しても無関心であり、「アパシー・シンドローム(無感動症候群)」と呼ばれている。また、サービス業は顧客を神のように扱うが、実際は往々にして形式だけで心がついてこないことが多い。
日本の境遇には失意を感じるが、日本政府と社会のありようにもため息をつかされる。メディアが日本が今後、「失った10年」から「崩壊の10年」に突入のではないかと心配するのもうなずける。今の日本社会の深層にある問題は、戦後の日本が米国を追随し、米国を真似るうちに自己本来のものを忘れてしまった結果の先天的な弱みが暴露されたということがわかる。(沖縄大学劉剛教授)
「人民網日本語版」2011年3月22日