自動車業界関係者の間では、地震は日系車とその部品の中国での現地化を加速させ、世界の自動車産業チェーンに影響を与えるとの見方が強まっている。
自動車部品の現地化が加速
広東国際戦略研究院の劉継森副院長によると、日本の主要製造工場は被災しなかったが、地震により交通がストップしたことで、原材料の調達が影響を受け、製品を空港や港に輸送することが不可能となっている。これは競争関係にある中国の企業にとって、売り上げを伸ばすチャンスである。
昨年、中国が輸入した部品の内、エンジン部品、動力伝達系システム部品、エンジン製品、走行システム、制御システムは、日本からの輸入がトップとなっている。ボディパーツや電子機器、ステアリングシステムは、ドイツに次ぐ2番となっているが、日本は主要部品製造技術でほぼ独占状態にある。
自動車業界の関係者は、「日本の地震により『部品不足』が発生しているが、部品の生産がすぐに中国の工場に移されるということはない。しかし、中長期的にみると、今回の地震は自動車メーカーの現地化の加速を後押しするものである。今後、中国企業はガラスやタイヤ、簡単な電子チップなどの部品の生産に関わるようになるだろう」と分析した。
中長期的に産業の移転が進む
業界関係者は「長期的に見ると、円高で輸出が打撃を受けていること、地震の影響でサプライヤーチェーンがストップしたことにより、日本が自動車産業を中国に移する可能性は高い。サプライヤーチェーンの安全を考えると、日本メーカーは部品生産の中国大陸部や台湾への移転を加速させるに違いない」と分析した。
調べによると、地震発生の1日前、佛山市は日本で日産やトヨタなど自動車メーカーを含む企業向けに投資セミナーを開いている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年3月30日