経済発展モデルを改めて考える
人類発展の歴史の中で、自然災害の発生は、人類が蓄積してきた財産や生存環境を脅かすだけでなく、自然災害という表面的な影響を通して、「人と人」「人と自然」「人と社会」といった深層レベルの事柄について人々に改めて考えさせてきた。日本の大地震は間違いなく、東西文明の交代および人類の健全的な発展という角度から、正確な世界観と人間観を如何にして樹立するかについて考える歴史的契機である。
30年以上にわたる改革開放を通じ、中国は後進国家として、「中国発展モデル」を打ち立てることに成功した。このモデルの中核となる要素は次の3点である。一つ目は現代の市場経済制度を導入し、西洋市場経済の効率主義とイノベーション志向を中国の国情に結びつけること。二つ目は漸進主義改革のモデルを堅持し、モデル転換期におけるマクロ的安定性を維持すること。三つ目は労働力資源、市場資源、挙国体制の優位性をを十分に発揮することである。中国と違い、日本は典型的な「強市場、弱政府」国家であり、経済はすでに成熟期に入り、社会構造も比較的安定している、東方文化と西洋の政治、経済体制の独特な融合が日本の細部にまで浸透している。2つのモデルは適度に融合されているといえる。
今回の地震後、日本が実施した救援活動の実質的効果から分かったことは、グローバル化が進む現代社会の管理において、突発的災害と事件に直面した際、国家の管理能力が重要な役割を発揮するということである。管理能力が比較的強い国は救援および応急処置において、効率的な対応ができる。当然、「東方式」の国家管理能力を運用することは、西洋市場経済制度における効率主義とイノベーション志向を否定するものではない。実際、東方文明、西洋文明はそれぞれ長所を持っている。実践の中で、両者は独特かつ有効的に融合し、互いの長所を生かした包括的な発展を実現する必要がある。これは世界経済と文化交流が直面する核心的な課題である。(作者:中国国際金融学会の陳雨露副会長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年4月6日