昨年以降、レアアース(希土類)割当枠の転売現象が蔓延してきている。情報筋によると、これはレアアース業界では良く知られた秘密であるという。「レアアース割当枠の販売額は40万元から50万元である。」レアアース業界では、このように金額の異常につり上がった割当枠の転売がひそかにはびこっている。
周知の通り、「工業のビタミン」と呼ばれるレアアースは、軍事工業や電子産業などで広く使われており、重要な戦略的鉱産資源である。中国は世界一のレアアース生産国であるが、無秩序な開発と生産競争により、ここ数年、レアアースはまるで白菜を売るかのように廉価で輸出された。そこで、政府はレアアース資源を保護すべく、ここ数年レアアースに関する一連の政策を次々と発表した。
輸出割当制の実施はその政策の一環である。聞くところによると、ここ数年、中国政府はレアアースの輸出割当枠を徐々に減少させている。昨年12月28日、商務部は今年上半期のレアアース輸出枠を合計14508トンと発表、その内、中国企業22社の輸出割当枠は10762トン、外資系企業および合弁企業9社の割当枠は3746トンに制限され、それぞれ前年より34%と37%減少した。
「国外の需要の増加が中国への依存度を高めているが、割当枠の配分と管理にはまだ抜け穴が存在しており、それが転売業者に絶好のチャンスを与えている。」業界関係者はこのように述べた。国際市場は現在、レアアースを中国市場の供給に依存している。統計データによると、2008年、中国レアアース鉱産品の生産量は12万5000トン、レアアース精錬・分離製品の生産量は13万5000トンであったが、中国のレアアース消費量はわずか7万トンであるのに対し、世界のレアアース消費量は13万トンで、約半数が輸出用となっていた。