一般的に、顧客への供給が追い付いていないレアアース加工企業は、仲介業や独自のルートを通して、割当枠の残っている企業を探すのだという。現在、割当枠は1トン当たり40万~50万元で取引されているという。両者が取引価格で一致すれば、レアアース加工企業はレアアースの製品価格と割当枠の購入額を合わせて、海外のバイヤーに売りに出す。
「レアアース割当枠の配分と管理に、大きな抜け穴が存在していることは否定できない。」ある業界関係者はこう指摘する。その関係者によると、現在、レアアースの需要急増にともない、レアアース自体の価格が跳ね上がっているだけでなく、割当枠の価格も人為的に吊り上げられているという。政府の関連部門が、企業の経営状況の調査にまだ乗り出していないため、割当枠の売買が無秩序に行われている。一部の企業は非常に多くの割当枠を持っており、貿易や販売活動を行わなくても、転売するだけで暴利を獲得することができるという。
「これは産業の発展にとって非常に不利である。」安信証券の衡昆チーフアナリストはこのように述べた。現在、レアアース製品は国内と国外で、1トン当たり50万~60万元の価格差が生まれている。割当枠の転売が、国内外におけるレアアースの価格差をある程度広げており、それにより中国では、レアアースの不法な採掘や闇取引が加速している。また、簡単に暴利が獲得できる転売の誘惑が、産業チェーンを捻じ曲げ、腐敗など悪質な事件を引き起こしている。
衡昆氏は次のように述べた。「国家は割当枠をもつ企業への審査と割当枠使用に関する管理を強化すべきであり、割当枠の転売を厳格に禁止し、相応の処罰を考えるべきである。また、環境保護、企業経営、企業規模等の面から参入条件を設け、その条件を満たした企業のみが割当枠の申請をできるようにすべきである。」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年4月29日