中等レベルから高いレベルにレベルを上げるのは非常に難しいとよく言われる。ピアニストにしてもそうだし、テニスプレーヤーにしてもそうだ。そして国もその例外ではない。「豊かな国」の仲間入りをするのはそう簡単なことではない。過去30年間、年平均10%以上の経済成長を維持し、中国人の生活水準がたった一世代で10倍近くに上がったとしてもだ。仏ル・フィガロ紙が2日付で伝えた。
経済発展は精密な科学ではない。高度経済成長の勢いが永遠に続くことはない。第二次世界大戦後の40カ国の発展プロセスを研究してきた、米カリフォルニア大のバリー・アイケングリーン教授ら3人の経済学者は、一国の一人当たりの国内総生産(GDP)が1万6740ドルを超えると、経済成長がゆるやかになることを発見した。この3人の経済学者は、すべてのデータを05年のドルに換算して、過去の各国の経済成長を比較し、「高度成長している経済体の成長がいつゆるやかになるか:世界の例と中国に対する意義」と題する研究成果を発表した。
フランスをはじめヨーロッパ各国は早くも70年代にこの法則に従った。フランスを例にとると、1973年にターニングポイントを迎える。この年にフランスの一人当たりのGDPは1万6904ドルに到達した。それまでの7年間、フランス人の一人当たりのGDP成長率は4.6%だったが、その後の7年間は2.4ポイント減の2.2%にまで落ち込んだ。米国のターニングポイントは1968年、成長率は2.5ポイントも下がった。