私の友人に中国の大手旅行社に長年勤務している人がいるが、私は中国はなぜ日本のように、学生の修学旅行を1本の柱としないのか、とたずねたことがあるが、「マネジメントが面倒だし、傷害保険などまだ中国では未成熟で、あまり儲からないかわりにリスクがあるからね」という答えが返ってきた。私は中国のビジネスマンはまだ市場経済がなにか、完全に理解していないような気がしてならない。私はクロネコ・ヤマトの宅急便の社史を読んで感じたことだが、日本の企業家は大手百貨店との大切な営業関係を(不本意ではあったが)断ち切って、あえて個人相手の宅急便の事業に乗り出し、たいへん苦労をしたが、とうとう非常に重宝で便利な宅急便というものを創り出した、という経緯からビジネスというものを創出することの意義を感じ取ることができた。
第三次産業の占める比率を大幅に増やすことは経済のトータルな発展を促すことになるばかりか、雇用の創出にもつながると見ている。メディアでいろいろな起業のケースが紹介されているが、要するに隠れているニーズをいかに掘り起こすか、ということが根本だと思う。
われわれが長年たずさわってきたジャーナリズムの仕事も今や大きく様変わりしている。旧来のやり方を固守していてはもはややっていけなくなっている。ジャーナリストにとっても、企画力、コンサルテーション能力、分析力といった総合的なものが求められるようになっている。時代とともに進む、とはそういうことを言っているのではないだろうか。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月9日