5月25日付フランスのル・フィガロ紙「中国の干ばつは経済成長に脅威をもたらす」
先月にやや弱含みとなった中国の工業生産が、再び電力不足の危機に面している。その原因の一つに、雨が少ないことにより一部の工業都市が50年らい最も深刻な干害に見舞われていることが挙げられる。
中国国家電網公司営業部の蘇勝新主任は先週末、2011年通年で全国で最大4000万キロワットの電力が不足するとの見通しを発表した。今年に入り、中国の石炭価格は15%上昇している。
すでに中国の20以上の都市が電力使用を制限しているが、不足の緩和には至っていないようだ。広東省や浙江省などでは、国家電網の計画停電により、一部の企業が自身の発電設備を再び使用しなければならない状態だ。これは企業経営者の負担を重くするだけでなく、労働コストの上昇と人民元の対ドル為替レートの上昇で苦境に立たされている企業の輸出をいっそう難しくすることになる。