「貧乏人が金持ちを養うようなもの」
2010年のデータから、中国の対外資産負債残高の構成比は今もひどくゆがんでいることがわかる。対外債務によって生まれた外貨準備の比率は39.45%に達する。海外直接投資(FDI)は資産を外国の企業に回し、米ドルを外貨準備に変えるというものだ。
国家外貨管理局が発表したデータからわかるように、2010年の対外資産負債残高の構成比はひどくゆがんでいる。対外経貿大学・金融学院の丁志傑院長は、「外国からの対中直接投資、証券投資、その他の投資の3項目の負債の合計と中国の対外直接投資、証券投資、その他の投資の合計には1兆1235億ドルの差があり、この差額は中国の現行の制度で中国の外貨準備となる。そのため、対外債務による外貨準備の比率は39.45%に達する」と話す。
また張斌氏によると、FDIなどによる「債務型」の外貨準備のほか、膨大な対外純資産は主に経常収支から来ている。「中国のような1人当たり資本ストックが少なく、平均所得が4000ドルに満たない中低所得国にとって、膨大な経常収支を維持し対外純資産を蓄積するというのは、貧乏人が金持ちを養うようなものだ。これは中米間の資源分配のゆがみがもたらした結果で、中国の福利の重大な損失でもある」と、張斌氏。