キャノングローバル戦略研究所研究主幹の瀬口清之氏は、先般北京で開催された第2回グローバル・シンクタンク・サミットで、向こう10年、中国は世界経済のエンジンとして重要な役割を果たすことになるとの考えを示した。
瀬口清之氏は概要、次のように述べた。
私は戴相竜元中国人民銀行総裁の見方に賛同している。鄭新立元中国共産党中央政策研究室副主任は、中国がここ5年世界経済のエンジンとなっているというが、私はこの5年間だけでなく、向こう10年においても中国は世界経済のエンジンとして重要な役割を果たすことになると信じている。
中国は国際通貨システムの改革に参与してきた。非常に重要なのは、通貨価値を保ちながら、人民元の自由為替の実現に力を入れており、政策の面でバランスが取れている。
日本についていえば、私達は円高のマイナス影響を克服してきたが、円高への過度な警戒によりバブル経済が引き起こされた。中国においては、現在急成長期にあるため、人民元価値上昇のマイナス影響を克服できるだろう。過剰流動性問題に対応するため、貸し出しを抑制することが必要になるが、これに適度な人民元の切り上げを加えれば、中国経済の発展の維持は可能である。と同時に、中国の世界経済のエンジンとしての役割を発揮し続けることもできるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年6月29日