■沿線都市の分業を細分化
京滬高速鉄道は23都市、24駅に停車する。「一線都市」である北京と上海、「二線都市」である天津や済南、そして「三線都市」も多く含まれる。
徐長楽氏は「京滬高速鉄道の開通で最も直接的な利益を受けるのは中心都市だ。人材やハイエンドサービス業などのリソース流通コストが下がり、ハイレベル人材は高速鉄道両端の北京と上海など少数の大都市に集中するようになる。だが長江デルタ経済圏と首都経済圏が波及効果を一層拡大すると同時に、沿線都市の発展も促され、中心都市との一体化も加速される。現在のようなネットワーク社会では中央が強くなると地方が弱くなるのではなく、共に享受する、バランスある状態が生み出され、ウィンウィンの結果をもたらす」と指摘する。
■航空業界のサービス向上を促進
京滬高速鉄道の開通を受け、高速鉄道と航空業界の競争も白熱する。時速300キロの列車は1日平均63便発車する。1便1200人で計算すると1日平均7万6000人を輸送できる計算だ。一方、航空会社の北京・上海便は1日平均50便で、輸送能力は約1万2000人しかない。アナリストは高速鉄道の開通当初は航空便利用者の約20%が高速鉄道に流れると予測している。
このような衝撃を前に、各航空会社は次々に対応策を練っている。天津海浜国際空港、民航天津航空管制局と中国東方航空、中国国際航空、海南航空、吉祥航空の6社は先日、多角的協力合意を締結した。「津滬航空快線」アライアンスを結び、地上運営効率を向上し、旅客の地上待機時間などを最大限圧縮。フライト回数を増やし、乗客の各種手続きを円滑化し、フライトの正常率を高めることを目指している。
「人民網日本語版」2011年6月29日