レアアースが再び中国と西側の頭脳合戦の道具になっている。7月4日、日本の科学者が太平洋の深海底に大量のレアアースを含む泥を発見したことが伝えられた。埋蔵量は800~1000億トンになり、回収が容易だと見られている。またイギリス誌は、このレアアースの埋蔵量は驚くべき規模で、陸地の約1000倍に上ると報じた。
しかしアナリストは5日、「国際金融報」に対し、この情報は「世論戦」のようで、中国のレアアース輸出政策に圧力をかけるためのものだと指摘した。このように判断した理由は2つある。1つは技術的な制約があるため、太平洋深海のレアアースの利用可能性は高くないということ。もう1つは、この報告は1月5日にすでに関連機関に提出されており、「古い情報」だということだ。
可採埋蔵量は多くない
今回見つかったレアアース鉱は、ハワイの東から西にかけての広い範囲に及ぶ。日本の科学者は78カ所の深さ3500~6000メートルの海底の泥から鉱物を見つけ、その3分の1に高濃度のレアアースと金属イットリウムが含まれる。
日本の科学者は、埋蔵量は800~1000億トンで、陸地の埋蔵量を大幅に上回ると見込んでいる。現在の世界のレアアース埋蔵量は8800万トンで、今回見つかった量と比べるとごくわずかだ。
さらにメディアは科学者の言葉を引用し、海泥の引き上げで船に乗り、レアアース回収の方法を用いて採掘できると伝えた。これについて、非鉄金属の分析を長期行うプライベートファンド社長の孫偉強氏は「国際金融報」に対し、「報告のデータを見ると、日本の研究チームが今回研究したのは深海の土壌で、超深水の作業は困難を極めるため、資源の利用率は低いだろう」との見方を示した。
また、「中国の良質な陸地のレアアースと比べると、今回見つかった深海のレアアースの価値は低い。中国の埋蔵量は集中しており、随伴鉱物が多く、利用価値が高く、種類もそろっている。よって、中国は今後も長期にわたって世界一のレアアース大国の地位を維持するだろう」と孫偉強氏。
中国商務部の2010年の統計によると、中国は世界の30%の埋蔵量(約2800万トン)で世界の80~90%のレアアースを生産、輸出している。
孫偉強氏は、この報告はすでに1月5日に提出されており最新の発見ではないとし、「実際に中国や日本などの多くの国は以前から海洋資源を開発・利用し、特にレアアースのような希少資源をめぐっては様々な模索がされている」と語った。
世論戦のよう