中国のレアアース(希土類)価格の大幅な上昇という事実を前に、日本は次のような局面を受け入れざるを得なくなった。外電の報道によれば、日本の代表的な化学工業メーカーである信越化学は7日、ハイブリッド車やエアコンのモーターに使用されるレアアース磁石の出荷価格を7月から4割以上値上げすると発表したのである。「新華社」が伝えた。
信越化学は「値上げの理由はレアアース磁石の主要原料となるネオジムなどの金属価格が中国の採掘・輸出規制の影響を受けて急騰したことにある」と説明、今後も引き続き製品を安定的に供給するため、値上げは避けて通れないと述べた。
5月23日時点の酸化ジスプロシウムの1トン当たり価格を5000元として計算し、加工費などの費用をこれに加えるなら、金属ジスプロシウムの輸出価格は1200ドル(1キロ当たりの価格)前後になるはずだ。また、酸化ジスプロシウムの1トン当たり価格を8000元として計算するなら、金属ジスプロシウムの輸出価格は約1800ドル前後となる。これは企業が損をする可能性のあることを意味している。
レアアース貿易の関係者は名前を伏せることを条件に次のように表明した。レアアースの値上げが余りにも急なため、その会社と国外の取引客との成約価格の有効期間はすでに大幅に短縮されている。現在、価格の有効期間は一般に2日だが、以前は最低でも1週間あり、長い場合には2週間あった。
「レアアース蛍光粉末の価格急騰について思うこと及びその対策」をテーマとする座談会が先ごろ浙江省臨安で開かれた。これに出席した業界関係者は7日、記者の取材に対し、レアアース価格の上昇は産業チェーンへの影響が非常に大きいと述べた。この関係者は座談会の席上「高効率省エネランプの原材料価格は数倍上昇しているが、最終製品にはまだ値上げの兆しが見られない。使用効果が良好で蛍光粉末より安価な代替品もまだ見つかっておらず、省エネランプ業界の経営は確かに苦しくなっている」と発言したという。