▽矛盾したロジック・やり方
実際のところ、米国が対中輸出管制をゆるめないことにより、最終的に被害を被るのは米国自身だ。白研究員によると、米国の貿易保護主義の考え方は、経済がますますグローバル化する今日にあっては、ますます通用しないものとなっている。どの国も独自の優位点と特徴を備えており、相互に関連し合い、依存し合っているからだ。対中輸出への制限が本当に実施されれば、これ以降、米国は中国と一連の分野で協力することが難しくなり、中国は方向を転換して別のやり方を探すことになる。
姚報道官がずばりと指摘するように、米国は一方では対中貿易に赤字が存在することを強調しながら、一方では対中輸出制限を設けて、中国企業が関連の貿易利便化措置の恩恵を享受することを拒んでいる。これは自己矛盾したロジックであり、やり方だ。対中輸出制限が真っ先にもたらすものは、米国の対中貿易の持続的な赤字だ。
中国商務省のデータによると、2010年に中国の輸出入貿易額は3兆ドルに迫った。貿易黒字は1831億ドルで、うち対米貿易黒字は全体の約99%を占める1813億ドルだった。中国と米国以外の国との間の貿易黒字は限りなくゼロに近いことがわかる。
商務部の陳徳銘部長は中米貿易の不均衡を形成する主な原因を分析する中で次のように述べた。米国は貿易をめぐり、中国に対して差別的であり、中国を制裁する法案を常に持ち続けている。軍需用品を中国に輸出することは禁じられ、軍民両用品も厳格な審査を通過しなければ中国に輸出できない。米国がこうした政策を改めさえすれば、中米貿易はもっとバランスがよくなる。
実際、対中輸出の制限は、最終的には米国企業の利益を損なうことになる。姚報道官によると、ここ数年来、米国の対中輸出は急速に増加しているが、ハイテク製品は農産品などの商品に大きく後れを取っている。中国の広大な市場は米企業の対中輸出拡大に巨大なビジネスチャンスを与えており、不合理な輸出管制政策は両国の貿易の発展を制約しているだけでなく、米国の雇用機会を減少させている。
中国米国商会がさきに呼びかけたように、米国は現在、既存の法律による制限と輸出管制によって貿易環境を保障しているが、行き過ぎた法律および政策による制限は管制を無効にし、思いも寄らない結果をもたらすことになる。たとえば米国企業の輸出機会の損失や米国企業の収入減などだ。
陳部長によると、米国側がハイテク製品の対中輸出制限を徐々に解除できれば、米国企業は金融危機で失業率が高い時でも、大規模な中国市場に進出する公平な機会を得ることができる。