◆自信と懸念
英国のロンドンからリーズ、マンチェスター、さらに遠方の都市を結ぶ高速鉄道を、中国が受注することはできるだろうか。鉄道業界に長年従事してきた中国側専門家の許毅発氏は、デイリー・テレグラフ紙に対して、「問題はない。中国は高速鉄道技術を有する全ての国家を研究し、それぞれの長所を吸収した。中国は現在、世界で最も先進的な高速鉄道技術を有しており、英国の高速鉄道の受注は容易なことだ」と指摘した。
デイリー・テレグラフ紙はまた、「中国でこのような見方は少数派ではない。中国人の多くが国家の変貌を目撃している。彼らは奇跡が創出されるのを日々目の当たりにしているため、未来がより明るいものだと信じて疑わない」と報じた。英国記者が「英国では列車のダイヤがよく遅延するが、中国はこの問題を解決してくれるか」とたずねると、許氏は、「大丈夫です」と請け負った。デイリー・テレグラフ紙は、「許氏の言うほど簡単に解決できる問題ではないが、われわれは時に中国人の自信を嫉妬せざるをえない」と報じた。
しかしそれと同時に、中国社会では物事を批判することが習慣となっている。中国人民大学国際関係学院の金燦栄副院長は、現代中国人はイノベーションを評価するが、失敗に対しては厳しい態度だと指摘した。中国社会はモデルチェンジを迎えており、社会的矛盾が日々深まっており、ネットも批判の声を強めている。批判的意味合いが込められた建設的な意見もあるが、不満を発散するための批判は政府に対する抑制力を持たない。これは中国社会全体が、慎重に考慮すべき問題だ。
「人民網日本語版」2011年7月5日