北海道レイク・ヒルファームの日差しがまぶしい午後。麗しい羊蹄山がかすかに見て取れる。 |
日本政府は7月1日より、中国人個人観光客向けの数次ビザ発給手続きを開始した。新政策に基づくと、条件(年収25万元、もしくは25万元に相当する資産の証明を提供)を満たす申請者は、有効期限内(3年間)に何度でも往復でき、一回の訪問につき最長90日まで滞在可能な観光ビザを申請することができる。しかし第一回目の訪問地には沖縄が含まれる必要があり、かつ沖縄で最低でも一泊しなければならない。同政策からは、震災後の日本の観光業回復に向けた、一種の焦りが見られる。ところが業界関係者は慎重な態度を崩しておらず、まもなく始まろうとしている夏休み期間の日本旅行が、新政策により力強く牽引されることはないと見ている。中国青年報が報じた。
瀋陽出身の唐大明さんは、北海道で7年間生活し、ガイド歴も3~4年間となる。震災後、唐さんは実家に帰った。それは地震を恐れたのではなく、中国人ツアー客が訪れず、実際に仕事がなかったためだ。「去年の今頃なら、函館の朝市は中国人観光客で賑わっていましたが、今や商店が建ち並ぶ通りに人の姿はありません」
中青旅日本株式会社の関旭・代表取締役社長は、「震災後の一定期間、日本旅行の一部路線の価格は昨年同期の半額以下となり、観光客数もわずか20%にまで減った。現地旅行社にとって利潤は低く、旅行の品質にも影響が出る恐れがある」と語った。しかし中青旅控股股フン有限公司の葛磊・市場開拓部総経理は、「海外旅行の目的地のうち、日本のクレーム率は最も低い。日本全体のサービス品質が高く、スタッフや店員も親切かつ専門的だ。日本旅行中は、至れり尽くせりのサービスを楽しむことができる」と述べた。
データによると、日本を目的地とする中国人観光客数は昨年、140%増となった。北海道登別洞爺広域観光圏協議会会長、登別市市長の小笠原春一氏は、「中国経済の高度発展およびビザ規制の緩和化により、中国からの旅行客数は年々増加している。さらなる増加を期待していた折に、3月11日の地震と原発への懸念が重なり、中国人観光客がほぼゼロになった」と明かした。6月21日、中青旅の関係者および中国主要メディアの北海道視察団を迎えたディナーの席上で、小笠原氏は中国語で歓迎の辞を述べた。ディナー後、葛磊氏はマイクロブログで、「登別市市長の小笠原春一氏は中国語が話せないが、一千字以上の中国語原稿に読み仮名をふり、ゆっくりと真剣に、最初から最後まで読み終えた。これは市長としてあるべき姿である。小笠原氏は観光業を軽視することなく、我々の行政等級を気にすることなく、友人のように親しく迎えてくれた。我々の訪問が、市民の幸福につながるからだ。日本側のあたたかなもてなしで、日本が真の意味で中国を必要としていることが分かる」と述べた。