1972年からの20年間で、1ドル360円の対米ドルレートは1ドル約80円と4倍近く切り上がった。もし人民元の対米ドルレートが8:1から2:1になった場合、一体いくつの企業が生き残れるだろうか?
日本の著名経済評論家、大前研一氏はこのほど出席した「2011年イノベーション中国ハイレベルフォーラム」にて、上記のような問いを投げかけた。そして、会場にいる中国の企業家に対し、目先の利益を追い求めるのではなく、イノベーションを達成し、産業チェーンの川上へと上り詰めなければならないと呼び掛けた。以下は大前氏に対するインタビューの抜粋。
問1:ここ10年、アップル社の輝きとソニーや東芝の凡庸さが鮮明な対比を成し、多くの人が日本企業のイノベーション能力は以前よりも低下したと感じています。それはなぜでしょうか?
大前研一:イノベーションの原動力はまず個人によると思っています。アップル社が成功し、巨大な革新を成し遂げられたのは、スティーブ・ジョブズの手腕によるものが大きいと言えるでしょう。すべての米国企業がイノベーション精神を持っているのではなく、ジョブズがアップル社にイノベーション精神を植え付けたというべきです。彼がアップル社を離れた当初、ノートパソコンの業績はあまり思わしくありませんでしたが、彼が復帰してからは彼のアイデアにより、アップル社は息を吹き返しました。