これに対して、中国鋼鉄工業協会チーフアナリストで、元常務副秘書長(副事務長)の李世俊氏は、次のように指摘している。遅れた生産設備を淘汰することは非常に重要だが、同量置換の存在により、遅れたものの淘汰の総量への影響は大きくはなく、主に構造の調整となる。全体的に言って、遅れたものの淘汰は市場の発展構造に即応させるべきだ。
李氏はこうみている。中国鉄鋼業界の発展は、上半期に望み通りにいかなかったが、下半期はより一層厳しくなるかもしれない。したがって、鉄鋼企業は工業の高度化と川下顧客の構造転換の歩みに注目すべきだ。李氏はまた、今後中国の鉄鋼企業が差別化の道を歩み、技術の相違、地域の相違、サービスの相違、産業チェーンの相違、専門性の相違を実現するよう提言している。
鋼鉄業界の川上にある鉄鉱石市場の今後について、中国冶金鉱山企業協会の楊家声秘書長(事務長)は次のように指摘している。2015年に全国の鉄鉱石原鉱の産出量目標は15億㌧に達し、自家産出の鉄精鉱供給能力は現在の総需給量の40%未満から45%前後に髙まる。また、輸入海外鉄鉱資源のうち、中国の権益鉱(共同開発の取り分)が輸入総量に占める割合は現在の10%前後から50%以上に高まる。そして「12・5」期間、鉄鉱石資源の戦略的保障体制を徐々に築き、西部地区の鉄鉱石資源の探鉱・開発の度合いを強めるべきだ。
(新華網日本語=中国通信社)2011年7月24日