△中国市場に提供する製品は中国の栄養指標をふまえる
木藤総経理によると、明治の粉ミルクは日本国内向けと中国市場向けとで異なり、日本向けは日本でパッケージされた製品、新たな中国向けはオーストラリアで生産された珍愛シリーズだという。日本でパッケージされた製品は原則として中国市場には投入せず、日本国内のみの流通とするが、木藤総経理は現在では中国の消費者が淘宝などのインターネットショッピングサイトを通じて同製品を購入することは可能だと認めた。
しばらく前に珍愛シリーズ粉ミルクが中国基準を用いていることが指摘され、中国の消費者の一部に懸念を引き起こした。これについて木藤総経理は、中国の基準を使用することで主に栄養の指標に影響が生じると話す。国によって栄養指標の規定には違いがあるが、品質基準へ直接影響を与えるものではない。明治の粉ミルクには独自の品質システムが備わっており、深セン市の消費者は安心してよいという。
木藤総経理は品質には影響がないと説明するが、中国基準を採用したことについて、一部のメディアはなお疑念をはらせないでいる。明治側による発表会の席で、ある記者から日本の消費者は珍愛シリーズを購入するか、総経理自身は購入するかと迫られた木藤総経理は、日本の消費者の中国での消費行為について検討したことはなく、自分自身は独身で乳児の飲む粉ミルクを買う必要はないので同シリーズ製品を買うことはないと回答した。
△消費者の心の声 二重の基準は選択に影響する
明治が日本市場と中国市場とで栄養指標の異なる製品を販売することを受けて、中国の消費者は明治製品を選ばなくなるだろうか。深セン市で母親を対象に調査したところ、6カ月の子どもをもつ母親は、子どもに与える粉ミルクはいつも香港で買っており、スーパーマーケットで買うことがあっても原産国でパッケージされた製品を選ぶ。明治の粉ミルクが国内と国外とで異なる場合は選択に何らかの影響があるという。また市民の豊さんによると、日本人と中国人はいずれも東方の民族で、身体的な素質に大きな違いはない。明治が別々の粉ミルクを販売すれば、「ダブルスタンダード」との印象はぬぐえないと言う。
「人民網日本語版」2011年7月25日